わが国の認知症高齢者の数は、2025(令和7)年には約700 万人、
65歳以上の高齢者の約5人に1人に達することが見込まれています。
認知症の有病率は年齢とともに高まることが知られており、年齢がリスクになります。
以下、「東京都健康長寿医療センター研究所」の資料を参照にします。
認知症とは、
「何らかの脳の病的変化によって、認知機能が障害され、それによって
日々の生活に支障があらわれた状態」
と定義されています。
最も多いアルツハイマー型認知症は58%
(*他の資料では85才以上ではアルツハイマー型男性67、4% 女性76,5%)
85才以上になるとかなり確立が高くなることが分かります。
音楽療法の実践も分野では最も多く、学会などで学ぶ機会があったことと、
私自身の経験では義母が認知症を患っていたこともあり、
個別性が高いとはいえ、諸々のことがある程度分かっていました。
一人ひとりの症状は異なるので一括りには出来ないのですが、
上記の資料からも認知症にかかり易いのは年齢が高いことがリスクになりますので、
85才以上の高齢者ご本人とご家族の皆様には気がかりな事項になります。
義母の時は薬の管理が自分で難しくなり、趣味だった俳句も徐々に作るのが
おっくうになってきた様子があり、最終的には物盗れ妄想が出現してきたことで
つじつまが合わなくなり、一緒に診察に行きました。
今思えば、診察に行く数年前から認知症を患っていたことが理解できます。
義母の経験をしてきて、高齢である母親のMCIの兆候を気にとめしながら、
電話や来奈した時の会話などの様子を見守るとともに
何らかの症状があれば早めに診察に行こうと考えていました。
長距離ですぐに会えないので、電話ではゆっくりと長く話し合えるように心がけました。
特に懐かしい昔話になると、私も共有している内容があり、お互いに場所や対象者の
名前などを言い合いながら、回想する時間になります。
家電にかけて来るときには母との約束がありました。
留守電になってもきちんと名乗って何でも良いから少し話してね、と。
「アッ、私です。留守ですか?またかけますね」と話していました。
途中で電話に出られる時は私が出て、続けて話すことにしていました。
最後に入院するまできちんと留守電に入れることは出来ていました。
会話の中で、
「今日はびっくりしたわよ~。コンビニで〇〇さんと会って、「〇〇さんやね~
久し振りね~。元気にされてた~?」って声かけたのよ」
「今日ね、懐かしい映画を思い出したのよ。主題歌を知ってるかと思って」
「今日のデイサービスで奈良のお寺さんのことを話して、ビデオも見せてもらったのよ」
どこへ行って、誰と会って、その時の会話の具体的な内容と感情が入った声の張りは
90才を過ぎているとは思えませんでした。
会話から軽度認知症の早期発見につながることがあると言われています
認知症の一歩手前の状態とされる軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)。
早期に発見し適切な対策をとれば、MCIを改善したり、
認知症の発症を予防できる可能性があると言われています。
「厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト」 参照
軽度認知症とは
物忘れが主たる症状だが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態。
軽度認知障害は正常と認知症の中間ともいえる状態です。その定義は、下記の通りです。
〇年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
〇本人または家族による物忘れの訴えがある。
〇全般的な認知機能は正常範囲である。
〇日常生活動作は自立している。
〇認知症ではない。
すなわち、記憶力に障害があって物忘れの自覚があるが、記憶力の低下以外に
明らかな認知機能の障害がみられず、日常生活への影響はないかあっても
軽度のものである場合です。しかし、軽度認知障害の人は年間で10~15%が
認知症に移行するとされており、認知症の前段階と考えられています。
Eizaiの「相談℮-65.net (そうだんイーローゴ.ネット)」も大変分かりやすく
丁寧に説明してありますので、ご参照ください。