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年功序列

2010-01-07 17:18:44 | 日記
私は体育会系の環境で育った。
いわゆる先輩は絶対権力者であり、自分達がスポーツをするのは当たり前で、
後輩はボール拾いが当たり前。
後輩からかつ上げし、ジュースを買いにいかせ、タバコを買いにいかせ、
バットで後輩のケツをなぐり、ボールをぶつける。
しかし、一方ではライバルなのだから、後輩を指導して、経験や
技術を教えてあげるなどという奴はほとんどいない。
そういうアホなことがまかり通っていた時代だ。

もちろん、社会人が新入社員をかつあげするとか、タバコを買いに行かせるとか、
はては、お酒を買いにいかせるようなことは、あろうはずがないが、
結局、後輩や部下に対する態度が形をかえているだけで、心は元のままって人も
多い気がする。そういう価値観は社会にでても中々拭い去れるものではないようだ。

「自分は先輩から職場で、そして飲み屋でいろんなことを教わった。
だからこそ、後輩にもそうしたい」
などどいって、飲み屋につれていき、
散々くだをまいたあげくに、今の若い奴らは学びの心がない、
あげくのはてに、日本に年功序列制度は必要だった、となげく人がいる。

「だまって俺の話をきけ、お前らもいつかは分かるときがくる。」ってか?!

でも、今の若者は、いわゆる体育会系の「しごき」など知らないだろうし、
ましてや、ベビーブーム、少子化、受験地獄、ゆとり、就職難、就職氷河期
などが渾然一体となった世代である。
こういう人達すべてを貫通するような、一体、どんな立派な理念を伝えられる
というのか。

私の大学時代はバブルの後期で、就職は引く手あまただった。
うんざりするような量の社員募集資料が毎週、ダンボールで送られてくる。
研修は海外での豪遊ツアー。
そういう中で体育会系の人は、礼儀正しく規律を守るということで、
もてはやされていた。
「地獄の特訓」と称する、まるで自衛隊の訓練まがいの企業研修などもあった。
いわゆる組織への帰属意識と忠誠心を高め、社員をこき使おうとしているわけで、
洗脳行為に等しい。

今、考えると本当にバブリーな時代である。
仕事は山ほどある。問題はいかにそれを効率よく(安く)裁いてゆくかの問題だ。
「サービスの低下」が叫ばれる昨今だが、我々の時代は「サービス」などという
観念すら存在しなかったのではないか。
いろんなことが時代が変わって、浮き彫りになってきていると思う。

よく中小零細企業が現在の日本を支えてきた、ということがいわれており、
私もそれはそのとおりだと思う。
だけど、そういう人達も「仕事があるのが当たり前」の世界で、
自らの仕事に対する価値観を築いてきたのではないか。

本当に時代は変わってしまった。
現在の大不況はそういった価値観を叩き壊してしまった。

今は仕事をひとついただくことすら大変な時代である。

時代が変わり、新しい価値観、仕事のあり方を模索すべきなんだと思う。

「今の若者は駄目だ」とか、
「今の政府が駄目だ」とか、

人に責任転嫁している場合か、と言いたい。


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