OMTインフォメーション

翻訳のこと、会社のこと、生活のこと、音楽のこと、読書のこと

Pat Martino- Footprints

2011-06-26 12:30:48 | 日記
先日、本名カズトBandを観に行った時に、ゆうぞうさんと話をしていた時、
ゆうぞうさんが何気なくいった言葉、

「Footprint」

言うまでもなく、ウエイン・ショーターの有名な曲の名前なのだが、
二人の会話の流れからいって、明らかにこのCDを指している。


『Pat Martino- Footprints』
(ジャケット・デザインは新しくなった。上写真は古いデザイン)

ゆうぞうさんって、ドラマーである。
ドラマーの口から、まさかこんなマニアックな(ギタリストでもよほどの
パット・マルティーノ・ファンでなければ知らないという意味)CDの名前が
出てくるとは思ってもみなかったので、なんとなく気になっていた。

以前から何度もこのブログで紹介しているように大のパット・マルティーノ・
フリークである私は当然、自宅のCDラックをあさってしまうわけだ。

「あった!!」

もう何年も聴いてなかったな…。

早速、スイッチ・オン!!

ああ、いいなあ…(つくづく)。1曲目の「The Visit」からいいな。

いったい何なのだろう。この人のギターは私を幻惑させる。
東洋的な(シタールのような)弾き方をするせいか、繰り返しパターンのフレーズを
多用するせいか(ほんとにCDが壊れたのかと思うくらい、ここぞの場面でこの人は
決めフレーズを繰り返す)、それとも均質的な16分音符のめくるめくようなラインの
せいなのか、トリップしてしまうような感覚がある。
単にサウンドが好みという意味で言っているのではない。
物理的に脳内に作用して、ドーパミンを放出させる作用がある気がする。

それゆえ、私はパット・マルティーノ中毒である(であった)。

このアルバムはそういうトリップ性がとりわけすごいな。
たぶん、ベーシストのリチャード・デイビス(Richard Davis)のサウンドの影響も
あるのだろう。

特にアルバム・タイトルの「Footprints」はやばい。
マジで延髄のあたりがもぞもぞする(笑)。

しかし、ドラマーのくせに(こんな言い方は失礼だが)なんでゆうぞうさんこんな
すごいCDを聴いてるんだ!?

先日など、朝から「パット・マルティーノを聴いてる」とツイッターでつぶやいていた
から、マジですごいな。いっちゃってるな、あの人…。

しかも先日の話ではBilly Higginsという名前を私が出した時に、あの人「????」
な顔してたっけ…。

んもう! このアルバムでドラム叩いている御仁ですがな!!!(笑)。


ところで話は唐突だが、みなさんは「シンクロニシティ」を信じるだろうか?
私は信じる。理論的に説明できようができまいが「あるものはある」からである。
最近、マジかよ、ってくらい身の周りでシンクロ現象が起きる。

実は今、スタンダードの勉強をしていて、「Alone Together」を練習してるんだけど、
なんとなく自分のアプローチに行き詰っていたところだった。
有名なところではジム・ホールがロン・カーターとやっている演奏が有名だが、
その感じから抜け出せなくなっていたんだよね…。布川俊樹さんの演奏もすばらしいが
やはりジム・ホールの影響が強すぎて、ますます行き詰っていたところだった。

昨日、楽器屋さんに行って何気なく書籍を観てたら、
「誰がこのスタンダード曲を演奏しているか」みたいなことを書いてある本を
みつけたんで、立ち読みしていたら、なんとリストの中に
「Pat Martino - Footprints」とあるではないか!!

わーっ、知らんかった(笑)。
まあ、長いこと聴いてなかったからな…。

ってなわけで、先日のゆうぞうさんとの会話、自分が今練習している曲、そして
昨日楽器屋さんで見つけた本が一本の線で結ばれたわけだ。
そして今、このCDを聴いているってわけ。

うーん、すばらしい演奏だ。しかも全く想像もしなかった(ってかこっちのほうが
ジム・ホールの演奏よりもオーソドックスな感じがする)アプローチだ。

「ビバップ」奏者としてギタリストではよく、ジョー・パスやバーニー・ケッセルが
あげられるけど、少なくとも私のジャズのルーツはパット・マルティーノなんだよね。

以前はそのことに関して少し抵抗があった(もうちょっとしっかり「ビバップ」を
研究すべきというような)のだが、最近は「パット・マルティーノ大先生」で
いいかなって思うようになってきた(笑)。

バップの歴史を勉強してるわけじゃなくて、感覚を身につけようとしているわけだから。

パット・メセニーだって「いちばん尊敬するギタリストは誰か」って聴かれて
「ウェス・モンゴメリー」って答えていたもんね(全然スタイルがちがう!)。

ちなみに、新進気鋭のギタリスト、ジェシ・ヴァン・ルーラーも
「パット・マルティーノ大先生」だったらしい。
彼の演奏を考えると想像できなくもないが、やはり現在のスタイルは彼独自のものだ。
これはすごいことだ。やっぱり天才っているんだな…。

紆余曲折はあったけど、まあよかったのかな…。
結局、「学び」とは自分の原点(出発点)に行きつくための旅なのかも知れない。

こういう気づきもシンクロニシティだとするなら、やっぱ神様っているんだなって
気がする。


がんばろう、日本!!
翻訳会社オー・エム・ティの公式ウェブサイト