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Joao Gilberto - Eu sei que vou te amar

2011-06-01 18:05:01 | 日記
ブルースを演奏している、というと人から、

「ブルースって日本の演歌みたいなものでしょ?」

と聞かれることがあるが、はっきりいって全然ちがう。
カレーは味噌汁みたいなもんでしょ、というのと同じくらい馬鹿げた言葉である。
だいたい、世界にそれこそ無数にある音楽の種類を、己の狭い視野でカテゴライズして
一体なんの意味があるのかと思うが、そんな話は今回どうでもよい。

今日紹介するのはこれ、


『Joao Gilberto - Eu sei que vou te amar』

ジョアン・ジルベルトというと、カルロス・ジョビンとならび、「ボサノバの神」
といわれている人だ。

先日、このCDが鎌倉図書館にあったのを見つけて借りたら大変よかったので、
即レコード屋さんに購入しにいった。

ロックやブルースやジャズ(ビバップ以降)を聴いている自分としては、
もし図書館においてなかったら、絶対に買うチャンスなどなかっただろう。

聴いてみたら目からウロコだった。ボサノバに対する考え方が180度変わった。

一見どっかのじいさんがボソボソつぶやいているような歌で、眠たくなりそうなのだが、
さにあらず。歌の根底に流れる、ジョアンの息遣い、そして熱いリズムがひしひしと
つたわってくる。
ビートとは、たゆたうような息遣いの中からでも自然に生まれてくるものだと
初めて知った。
彼にとって「グルーブ」とは近くの浜辺に打ち上げる波のようなものなのだろう。
まさに自然の息遣い。すばらしいの一言だ。

ああ、でも不思議だなー。
ギターも簡単そうに聴こえるんだけど、すごくむずかしいんだよね。
めちゃくちゃグルーブしているのに、こんなに肩の力が抜けてスムーズに弾くことって
すごいことだよ。天性のものとしか思えない。頭で考えても絶対にできない。

私のジャズ・ギターの先生はボサノバの達人でもあるのだけど、今まで自分としては
なんとなくボサノバはさけてきた。
それにしても、世界にはまだまだ自分が知らない「いい歌」ってあるよね。
まあ、演歌だけはどうもダメだけど(笑)。

最近パット・メセニーの「うたもの」のよさを教えてくれた人がいて、
そんなこともあり、少しずつやってみようかな、などと思い始めていたのだが、
このCDを聴いて、ますますやる気になってきた。

うん、やっぱり「うた」だよな!!

こういうのをサポートできるようなミュージシャンに、私はなりたい…。


がんばれ、東北!!
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