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友人 その1

2010-11-17 17:15:58 | 日記
昨日は友人のU-ZOさんのライブがあったのでギター持参で遊びにいった。

良く知っている人たちばかり、もちろんU-ZOさん、それから本名さん、ミックさん…
他にもベースの人、ギターの人、それから飛び入りでやったボーカルの女の子
みんなすごかった。
(自己紹介してもらったので名前を聞いたのだけどすっかり忘れてしまった。
今度あったら名前を今度しっかり覚えるようにします。)

特にボーカルの女の子はプロ中のプロの方だったので圧巻だった。

それぞれが優れたミュージシャンだ。
それぞれ特徴があり、そういう特徴が好きでたまらないのだが、
ひとりずつ書いていたら紙面がいくらあっても足りないし、そんな時間もないので、
今日のところは本名さんについて書こう。

以前から何度もこのブログで紹介しているが、
彼はシンガーソングライターである。以前彼の歌はコマーシャルソングにもなったし、
ラジオから、そしてスーパーで、パチンコ屋で、といろいろなところで聴かれた。

一度活動を清算したこともあったが、復活して今にいたっている。

今回のライブではハープ(ハーモニカ)での参加である。
アコースティック・ギターをもち、ホルダーでハープを吹く人って
あんまり上手い人はいないのだが、彼は特別、うまいというレベルを超越しているくらい
うまい。(ちなみにギターは絶対、私のほうがうまい)

彼があるメジャーなバンドのレコーディングで吹いたハープソロは
今でも私にとっての理想のサウンドである。

私はブルース専門なので、それにこじつけた話しをすると、
アルバート・キングというすばらしいギタリストがいた。
彼はメジャーの曲でもマイナーの曲でも同じ旋律、独自の旋律のソロを弾く。
ある種、彼の不器用さがなせる技である。というのも普通の感覚であれば、
メジャーの曲にマイナーの旋律で演奏するには、どうにもいごこちが悪く、
結局メジャーの旋律で引いてしまうものだからだ。
つまり、そんなふうに周りのサウンドに影響されず、自分のラインを
弾き切るにはすごい根性が必要なのだ。そこにはすごい緊張感が漂う。
よっぽど鈍いか、根性のある人だと思う。

そしてそういうラインを本名さんはハープで吹く。
ものすごくブルース・フィーリングのあるハーモニカだ。
彼のスタイルが、うらやましくもあり、また尊敬している。

もちろん、ハープという楽器の特性を踏まえれば理解できなくはないし、
バリバリのブルースハープを吹くミュージシャンは沢山いるが、
彼は異質だと思う。正直あれほど浮遊感のある演奏をする人を
あまり見たことがない。唯一スティービー・ワンダーに同じような
フィーリングを感じる。

音楽を言葉で表現することはむずかしいが、あえて表現してみると、

例えば、悲しい気分の時に、一人で流した涙を人前では隠しながら、
涼しげに明るい曲の口笛を吹いているような、そんな感じ。

そう、本名さんのハーモニカには「孤独感」がある。

そんな思いで彼の演奏を見ていた。

ところがどっこい! 、本人は何食わぬ、気楽な顔で楽しそうにハープを吹いている。

もしかしたらあの人、すごく鈍い人なのでは…。
だからあんなに痛みのあるサウンドでもシレっと対応できるのかしら…。

要はマイペースってことだろうな。
でもマイペースであることと、孤独であることは、ある種の同義であると思う。
でも彼の心の中の孤独はさぐりようがない。

いずれにしても、あらためて本名さんは不思議な人だと思った。

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