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Song X

2009-12-14 17:05:54 | 日記
先日、間違ってレコードを買った。

Pat Methenyの「Song X」である。

CDではなく正真正銘のLP、中古レコード屋さんで安い値段だったから
買ったのだ。
かのオーネット・コールマンとの競演作である。

私はフリージャズはあまり好きではなく、ジャケットに、
オーネット・コールマンと書いてあれば、新品だと絶対買わない(笑)。

中古だったので買ってみた。

久しぶりにプレーヤーに針をおとしてみた。

覚悟はしていたが、のっけから「みんなてんでに練習しているだけ」、
のようなサウンド。

「うわ~、やっぱり失敗かな~???」

気が狂いそうになりながらも、がまんして聴いていた。

しかし、参加ミュージシャン、

パット・メセニー
オーネット・コールマン
チャーリー・ヘイデン
ジャック・ディジョネット
(…)

どいつもこいつも、超絶テクニックである。
めちゃくちゃ、うまい。

よく聴いていると、サウンドが、ただのでたらめではないような気がしてきた。

瞬間、ディジョネットとメセニーが、あるいは、
コールマンとヘイデンがシンクロする。
その瞬間のダイナミズムというかスピード感というか、とにかく凄い気がしてきた。

そのうち、これらが立派なサウンドに聴こえてくるから、あら、不思議。
美しいカウンターラインのようにも思えてくる。

「間違って…」と書いたのは、予想に反して素晴らしいレコードだと思ったからだ。


ジャズというのはとにかくいろんな角度から人の感性に切り込みをいれてくる。

よく、インサイドなフレーズ、アウトサイドなフレーズという言い方がされるが、
要するにジャズのラインは人の耳に心地よいサウンドと耳障りなサウンドの間を
行き来しながら繰り広げられてゆく、ということだ。

アウトサイド・フレーズはインサイドに移行してゆくことによって活きてくる。
アウトサイド・フレーズだけだと「単なるでたらめ」だが、インサイド・フレーズ
だけだとスリルがない。

ということは、
アウトサイド・フレーズを弾こうとして間違ったらインサイドとなる…?!
これは果たして間違いか…。

なんのこっちゃ?(笑)


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