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営業道 その1

2009-11-22 13:31:36 | 日記
独立するまでの長い期間、私は長いトンネルの中にいた。
もともと、内向きか、外向きかというと、自分は内向的な性格である。

だから、特に営業活動は辛かった。
特にここ数年は100年に一度といわれる大不況の中で、
先の見えない暗闇の中を手探りで歩き続けるようなものであった。

実は人間社会に出れば自他の境を取り払わなければならない時が
くる。自分には向いていない、と心で思っていても、
会社のために、

「超、楽勝っすよ~!」

といいながら、辛い営業に出ていた。
自分も変わらなきゃ…、と常に思いながら。

会社とのかかわりは、ある意味とても冷酷である。
いくら、上からの指示とはいえ、自分が営業をやるといった以上、
成績とノルマが肩に重く圧し掛かってくる。

本当の自分と思っているものと、実際、自分が直面している
現実とのギャップがどんどん開いてゆく。


それでは、晴れて独立をして、じゃあ、自分が何をやっているかというと、
毎日の90%は営業である。

私のような小さな事業主はとにかく、会社に粗利をもたらさなきゃ、
全くその役目を果たさない。
もとより、その覚悟があっての独立だしね。
本当の自分なんてどこへやら。
人は否応なしに外部の状況に自分を変えてゆかざるを得ないものだ。
自分なんて、「今ここ」にしかいないのだから…。

もちろんそれを、仕方がないから、といってしまえばそれまでのことだが、
実は、それはそれで楽しんでやっている。

よく、会社の規模は社長の想像力に比例する、といわれる。
だから、3年先を読め、とか理念をもて、とかヴィジョンが大切とか。
でも、こんなに変動してゆく世の中を、誰が正確に言い当てられるというのか。

結局、人との御縁や偶発的な出来事を大切にする中で、常に「今」から、連想を
広げてゆくしかないんじゃないか?

チャンスは人との出会いの中にある、と思う。
私は営業こそはそういう出会いの場を演出してくれる唯一の手段だと思っている。

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