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いざ鎌倉

2009-11-13 18:33:12 | 日記
私は鎌倉在住である。
といっても移り住んで7年くらいだけど。

鎌倉といえばお寺が多いところ、という印象だったが、
いざ、移り住んでみたら本当にお寺だらけであった(笑)。

実は住んでみて感じたのだが、こんなにいい所だとは
思っていなかった。

以前、旅行で鎌倉に来たとき、前の職場の飲み会の翌日だったので、
それこそ、二日酔いならず十日酔いというくらいの状態で、
乗り込んだわけだ。
いざ鎌倉、ということで着いてみるとお寺ばかりだし、
なんか、洞窟みたいなところで人が何十年も幽閉された場所とかが
あって、ますます酔いがひどくなってしまった。

周りの人がお願いごとをしながら、一生懸命手をあわせている中、
私は心の中で、
「どうか、この二日酔いがなおりますように」
とお祈りしてしまった。
笑えることに、これが本当に治ってしまった。

そんなこんなで全くよい印象のない鎌倉であったが、
すんでみると暖かいし、正月は鶴ヶ丘八幡宮、夏はお祭り、海、
春はお花見、秋はハイキング、梅雨時でも紫陽花、年末の除夜の鐘など
年中観光客がいて、華やかさが失せることがない。

ただし困ることもある。
観光客目当てのお店が多いからか、さぼっているのか、
時折、「まずい」食堂に当たる。
鶴ヶ丘八幡宮付近は人が多いから、観光客もつい行列につくのをさけて、
いわゆる妥協して、
「この店でいいか…」
となる。
暖簾には「釜飯」と書いてあるが、なんと、だしが入っていない!!
いわゆる醤油で炊き込んだだけだ(だったら具をいれるなよ!)
逆に「けんちん汁」と書いてあるのに、かつおだしをつかっている。
けんちん汁って建長寺のお坊さんが発明したんじゃないの!?

かの一休禅師は大酒飲みで、蛸が大好きで、運悪く、
人だかりの中で酔っ払って吐いて、蛸が出てきちゃったもんだから、
大騒ぎになったらしい。
まあ、そんな豪傑もいるんだろうけどね。
彼も仏様に「二日酔いを治してください」とお祈りすればよかったのに(笑)

ところで、先日、妻が怒った顔をして私の部屋に入ってきた。
私が100円均一ショップで「ザ・お経」というCDを面白がって買ったのを
知っていて、朝それを私が流していると勘違いしたらしい。
「朝から、そんなもの流さないでよ!」
私といえば、買ったきり、どっかに置きっぱなしでそのうち、コレクションの
音楽CDに埋もれてしまい、聴きたいと思っても聴けない状況だったので、
キョトンとした顔をしていると、やはりお経が聞こえてくる。

どうも、托鉢僧(それも複数)がこの辺を歩いているらしい。
しかしだ。その音が小さくならない。
そっと、玄関口からのぞいてみると、なんと、
そこ(玄関口)に立っているではないか!!

「托鉢僧って、訪問集金するのかよ?!…」

妻に言ったら、あんたがいってお金出してこい、という。

「いくらだ? やっぱり5円かな…?」
というと、

「そんなわけないでしょ!」
と勝手なことをいう。

それならば、と100円玉をもって表にでると、
お坊さんは、スッとエプロンみたいな、布をひろげた。
(お坊さんの服は体をスッポリエプロンで覆ったみたいに出来ているんだね。)
そこに、そっとお金を置いた。

一瞬、お坊さんの顔が曇ったような気がする…。

「うわ、足りなかったかな…?」

その後、どうすればよいのかわからず、とり合えず手をあわせて、
様子をうかがうと、
それでも、お坊さんは立ち去ることもなく、より大きな声を張り上げて
お経を唱えている。

「どうしよう、もっとよこせってことか?!」

後ずさりしながら、気まずい気持ちで家の中に入ってきた。

ああいうときの対処法って、一体誰に聞けばいいのか…。

鎌倉に住んで、困ることのもうひとつであった。