荻野洋一 映画等覚書ブログ

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ゲルハルト・リヒターとサイ・トゥオンブリー 二人展

2011-06-11 22:55:49 | アート
 横浜で非常勤の講義をおこなったあと(映像論)、改革プランの実行中で多忙を極める梅本洋一氏と昼食。そして帰京後は、六本木・ハリウッドビューティ専門学校並びのワコウ・ワークス・オブ・アートにて、ゲルハルト・リヒターとサイ・トゥオンブリーの二人展を見る。
 ガラス板の裏側にエナメル塗料をべったりと塗りつけた色彩の氾濫(リヒター)。そして、チューリップの花びらをマクロ撮影でとらえたピンぼけのドライ・プリント(トゥオンブリー)。トゥオンブリーといえば、3年前、日差しの鋭い真夏のマドリーのプラド美術館にて、ヴェネツィア・ビエンナーレの金獅子賞受賞作《LEPANTO(レパント海戦)》の連作(2001)をこの目に焼き付けた感激が、にわかに甦った。表面にとどまることの苛酷さと相対するために、リヒターとトゥオンブリーを今後も見続けていこう。
 ふと、この二人展を凝視しているうちに、大震災の直前、上州・高崎へ岡本健彦の回顧展を見に行ったことを思い出した。アクリルに塗り込められた色彩のアンサンブル、そして「やまと絵」の現代的な翻案。温かみと涼しげな風を感じさせる岡本の作品群と、今秋に再会できることを楽しみにしたい。


ワコウ・ワークス・オブ・アート
http://www.wako-art.jp/