見てからだいぶ日数が経過してしまったが、東京・杉並の座・高円寺1で上演されたリーディング劇『アメリカン・ラプソディ』がおもしろかった。作・斎藤憐、演出・佐藤信の元・自由劇場コンビ。出演は高橋長英、関谷春子、ピアノ演奏に佐藤允彦。
ジョージ・ガーシュインが、ニューヨークの下町にロシア系ユダヤ移民の子として生まれ、独学で音楽を学び、21歳の時に『スワニー』でメジャーデビュー、38歳で急死するまでの短い生涯を、同じくロシア系ユダヤ人だったヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツ(高橋長英)と、ガーシュインの公私にわたるパートナーだった女性作曲家ケイ・スウィフト(関谷春子)のあいだで取り交わされた往復書簡で間接的に語られてゆく。ガーシュイン本人は登場しない。ただ、彼の楽曲が書簡朗読のあいまにインサートされるばかりだ。そして彼と関係するラベル、ドビュッシー、シェーンベルクの楽曲も少しばかり。アメリカの音楽が発生してゆく現場を、近くの者が記録する。天才は、あっという間に駆け抜けてゆく。この朗読劇は残酷でありつつ、音楽の喜ばしさと共にある。
高橋長英は、ベニサン・ピットの閉館ラストステージ『かもめ来るころ』(作・演出 ふたくちつよし)、新国立劇場『エネミイ』(作・蓬莱竜太、演出・鈴木裕美)、映画『ねこタクシー』(監督 亀井亨)と、ここ1~2年でいい作品とめぐり逢えている感じがする。
ジョージ・ガーシュインが、ニューヨークの下町にロシア系ユダヤ移民の子として生まれ、独学で音楽を学び、21歳の時に『スワニー』でメジャーデビュー、38歳で急死するまでの短い生涯を、同じくロシア系ユダヤ人だったヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツ(高橋長英)と、ガーシュインの公私にわたるパートナーだった女性作曲家ケイ・スウィフト(関谷春子)のあいだで取り交わされた往復書簡で間接的に語られてゆく。ガーシュイン本人は登場しない。ただ、彼の楽曲が書簡朗読のあいまにインサートされるばかりだ。そして彼と関係するラベル、ドビュッシー、シェーンベルクの楽曲も少しばかり。アメリカの音楽が発生してゆく現場を、近くの者が記録する。天才は、あっという間に駆け抜けてゆく。この朗読劇は残酷でありつつ、音楽の喜ばしさと共にある。
高橋長英は、ベニサン・ピットの閉館ラストステージ『かもめ来るころ』(作・演出 ふたくちつよし)、新国立劇場『エネミイ』(作・蓬莱竜太、演出・鈴木裕美)、映画『ねこタクシー』(監督 亀井亨)と、ここ1~2年でいい作品とめぐり逢えている感じがする。