荻野洋一 映画等覚書ブログ

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『パッセンジャーズ』と『ダイアナの選択』

2009-03-28 02:22:00 | 映画
 『パッセンジャーズ』と『ダイアナの選択』を立て続けに見たが、これがどうにも似たような作品で、両作共にミドルクラスのハリウッド映画であり、罪のない標準作だとは思うが、美女の無意識的魂の彷徨といったプロットが『レベッカ』(1940)を薄口シロップでうめたような作りで、少しばかり辟易とさせられた。
 前者はラテンアメリカの文豪ガルシア・マルケスの息子ロドリゴ・ガルシアが、後者は旧ソ連ウクライナ共和国出身のヴァディム・パールマン(ウクライナ名はヴァヂム・ペレルマン)が演出しているのだが、まあ実力的には互角といったところか。
 出演者という面では、前者が色白で可憐な顔を持つアン・ハサウェイの孤軍奮闘で終始するのに対し、後者の方がユマ・サーマンと新鋭エヴァン・レイチェル・ウッドの二頭立てである分、優勢だと思う。しかしロケーションという点では、前者における常に曇天のバンクーバーがなかなか悪くなく、後者における人工的・メルヘン的なコネティカットのスモールタウンよりも町の息吹が感じられた。


『パッセンジャーズ』はTOHOシネマズみゆき座ほかで公開中
http://www.passengers.jp/
『ダイアナの選択』はシネスイッチ銀座で公開中
http://www.cinemacafe.net/official/diana-sentaku/