荻野洋一 映画等覚書ブログ

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クロアチア 2-1 ドイツ

2008-06-13 12:58:00 | サッカー
 UEFA EURO 2008、大会6日目。
 ポーランドを実にスマートに破った第1戦を見てからほんの数日しか経過していないというのに、ドイツが早くも幻滅を味わわせてくれた。それはまるで、これまであまり高く評価できなかった映画作家の新作を見た際に、なかなか悪くはないではないかと思わせ、あまつさえ、このような評価の上方修正を積極的に周囲に吹聴したにもかかわらず、次回作であっさりとその修正を撤回せざるを得なくなるバツの悪さに似ている。

 失点場面はいずれも、メルテザッカーとメッツェルダーの両センターバックによる判断ミス、マークの見失いが直接的な原因ではあるが、それ以前に、ドイツはクロアチアの分厚い中盤にほとんどプレスをかけることができなかった。ドイツ人好みのうまいオーストリア・ビールがここ数日で大量に消費されたと見える…。

 クロアチアは、1998年ワールドカップでドイツを破って3位に輝いた時のメンバーほどの凄みはないけれども、スラヴェン・ビリッチ監督が試合前日の記者会見で、現在のドイツはイングランドに似たタイプのチームだ、私たちはこうしたタイプのチームを苦にしない、といった内容のコメントを述べていたぐらいだから、対策はおそらく完璧だったのだろう。
 クロアチアは、昨年の予選でイングランドをザグレブでもウェンブリーでも撃破し、“サッカーの母国”に予選敗退の屈辱を味わわせている。プレミアシップで食わせてもらっている者が幾人か含まれるが、彼らは恩を仇で返した格好だ。
 加えてもし、エドゥアルド・ダ・シウヴァが故障離脱していなければ、優勝とは言わないまでも、有力なファイナリスト候補のひとつであっただろう。