どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

アルプ湖の白鳥・・スイス

2014年02月22日 | 昔話(ヨーロッパ)

       アルプ湖の白鳥/世界のメルヒェン図書館4 山のグートブラント/小澤俊夫 編訳/ぎょうせい/1981年初版


 魔法使いに白鳥にされてしまった王女と侍女2人。湖でであったヤギ飼いの少年に、人間にもどるため、三つの植物を手に入れてくれるように頼みます。

 少年はその植物を知らなかったが、母に聞くとすぐにその薬草が手に入ります。
 白鳥は、王女の国にくるように話すが、ヤギ飼いの少年は、ヤギを飼いつづけると、それを断わります。

 主人公が金持ちになったり、幸せな結婚をするなど、ハッピーエンドに終わる昔話ばかりと思うと、この「アルプ湖の白鳥」のようなおわりかたも。

 王女がでてくるので、結婚することになるかと思っていると、最後は今の生活を続けることを選択する少年。
 お話のなかには、少年の生活がどうのようなものであるか、ふれられていないが、豊かな生活をしているわけでもなさそうである。

 薬草を手に入れるためにさまざまな障害を乗り越えていくのが、昔話のパターンであるが、この話では、お母さんからすぐに手に入れることができたと、そっけない。また、助けられても、少年に何もしてあげない白鳥という存在も珍しい。

 劇的な展開がないことが、逆に印象にのこる話であるが、お話を聞く側では、物足りなさがのこりそうだ。     


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