アルプ湖の白鳥/世界のメルヒェン図書館4 山のグートブラント/小澤俊夫 編訳/ぎょうせい/1981年初版
魔法使いに白鳥にされてしまった王女と侍女2人。湖でであったヤギ飼いの少年に、人間にもどるため、三つの植物を手に入れてくれるように頼みます。
少年はその植物を知らなかったが、母に聞くとすぐにその薬草が手に入ります。
白鳥は、王女の国にくるように話すが、ヤギ飼いの少年は、ヤギを飼いつづけると、それを断わります。
主人公が金持ちになったり、幸せな結婚をするなど、ハッピーエンドに終わる昔話ばかりと思うと、この「アルプ湖の白鳥」のようなおわりかたも。
王女がでてくるので、結婚することになるかと思っていると、最後は今の生活を続けることを選択する少年。
お話のなかには、少年の生活がどうのようなものであるか、ふれられていないが、豊かな生活をしているわけでもなさそうである。
薬草を手に入れるためにさまざまな障害を乗り越えていくのが、昔話のパターンであるが、この話では、お母さんからすぐに手に入れることができたと、そっけない。また、助けられても、少年に何もしてあげない白鳥という存在も珍しい。
劇的な展開がないことが、逆に印象にのこる話であるが、お話を聞く側では、物足りなさがのこりそうだ。
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