どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

小さなプランクトンの大きな世界

2024年07月02日 | 絵本(日本)

   小さなプランクトンの大きな世界/小田部家邦・文 高岸昇・絵/福音館書店/2016年(1996年初出)

 

 「池の水の中をただよっている小さな生き物を、まとめてプランクトンとよんでいます。」とあって、あれ海は?と思っていたら、海水には塩分があるので違う種類のプランクトンがいるといいます。この絵本では、池の水、ガラスの花瓶、二か月間庭におきっぱなしにした水道水など。

 でてくるわ でてくるわ。イタチムシ、ツリガネムシ、ハオリ・ワムシ、コマガタ・ゾウリムシ、アクチノフリス、サヤミドロ、クンショウモ、アオミドロ・・・。これに海のプランクトンをくわえたら いくつになるやら!

 プランクトンは、鳥の足や、くちばし、羽について移動し、乾燥して水がなくなるまえに、また水のあるところにとびこむプランクトンも。水が生命をはぐくんできたのを実感。

 一ミリミリ以下の顕微鏡で見ないとわからない世界。そういえば、小学生のころも顕微鏡をのぞいたことがなく、子どもにも買ってあげたことがない。顕微鏡があれば、プランクトンだけでなく、そのほかの不思議な世界をのぞくことができたはずで、子どもの成長にも、いかせたのではないかと後悔しました。

 作者の方は、警視庁科学捜査研究所で、検査鑑定をされていたかた。2015年で、観察歴70年とありましたから、こんな世界の魅力にはまっていたようです。
 作者が一番好きというヒラタヘゲマワリが何十、何百と いっせいにダンスしているところに出会うと、うっとりして、時のたつのも忘れてしまうというのも印象に残りました。

 絵は描いたもので、写真よりもっと特徴を示すことができたのでしょうか。