ながすね ふとはら がんりき/愛蔵版おはなしのろうそく4/東京子ども図書館編/2000年
外国では比較的短いイタリアのわらい話。
ある時、ベニスの近くのチョギヤの町の漁師が、かごにいっぱいウナギをいれてベニスにやってきました。そして、ゴンドラの船頭に、運河をわたりたいんだが料金はいくらかとききました。
「ひとりあたま五銭」ときいた漁師、「あんりゃー、そりゃ高くつくわ。これだけ頭があるもんな」と、漁師はかごの中のウナギを見ながらいいました。
「ンだば、水へへえれ。お前たちにゃ、泳いで、わたってもらおう。おら、向こう岸でまってるからな」。
漁師はかごのウナギをぜんぶ川に流し、それからひとりぶんの料金をはらい、向こう岸に腰をおろして、ウナギを待ちました。待って待って、待ちました・・・。
松岡享子さんの味わいのある訳が生きています。