どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

念仏ばあさん・・岐阜

2022年01月17日 | 昔話(中部)

          岐阜のむかし話/岐阜児童文学研究会編/日本標準/1978年

 

 極楽にいくのは、たいへんな話。

 朝から晩まで「なんまいだあ、なんまいだあ」と念仏をとなえていたおばさん。

 ばあさんが亡くなって、赤鬼と青鬼に手を引かれ、えんまさまのところへいってお裁き台の上に。えんまさまは鏡を持っていて、その人が生きているうちにしたことが映って、それで地獄か極楽いきかを告げていた。

 ばあさんは、念仏をいつも唱えていたので、当然極楽いきかと思ったら、えんまさまは、「ほい、じごーく」と大声。

 不満の思いが鏡に映っていたが、赤鬼と青鬼が、念仏ばあさんが生きちょるうちにとなえた なんまいだ、なんまいだをあおぎだすと、あとからあとから風にあおられ、残ったのが二つ。

 ひとつは、大地震のときとなえた一枚、もうひとつは雷が鳴った時の一枚。

 えんまさまのお裁きは、「自分が助かりゃええと思ったんじゃろ。それで地獄や。」

 

 えんまさまがもっているのは帳面というのが多いのですが、鏡というのははじめてです。


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