どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

歩くナマズ

2024年07月13日 | 創作(外国)

   話はめぐる/聞き手から語り手へ/ナショナル・ストーリーテリング保存育成協会・編 佐藤涼子・訳/リブリオ出版/1999年

 1973年からつづくストーリーテリング・フェステバルで話されたという中の一遍。ちょと あっけにとられる話。

 ある魚釣りの名人の少年が水車用の池へナマズ釣りに出かけた。一匹また一匹釣れてみんなしんでしまったとおもったら、一匹だけ まあだ息をしている。釣ってきたナマズのはらわたを抜いていったが、そのナマズは まだ息をしている。そこで少年は仕込むことにした。

 ナマズに水を入れたバケツをあてがって、一日目は二時間、二日目は三時間、三日目は四時間と毎日バケツから だしてやった。そしてとうとう、水なしでも暮らせるようになって、そのナマズは、水のそばには近づかなくなった。そのナマズにホーマーという名前をつけたが、少年の行く先にはどこにもついてきた。

 ある日、少年が学校に行くときにもついてきた。もうすぐというところで、少年はちちゃな川にかかった木の橋をわたった。そしてふりかえるとホーマーの姿が見えない。探してみると、橋の一枚の板が腐って、穴が開いていた。そこから川の中をのぞくと、ホーマーが溺れてしまって 浮いていた。

 

 「黄色いリボン」「ひねくれもののエイトジョン」など、アメリカには、ヨーロッパとは別系列の話も多い。


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