入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

       Ume氏の入笠 「初冬」(4)

2014年10月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 ああ、もう5時になる。東の空が白みかけてきた。昨夜はまた上に泊まる。
 かんと氏とTBI氏は観測機器の片付けを始めたようだ。彼らの長い夜が終わった。気温は零度近くまで下がっただろう。「天体観測」などと一言では言い切れない、彼らの長時間に及ぶ忍耐、努力、針の先のような鋭い集中力、まさしく驚嘆というしかない。
 若いカップルK君とその彼女L君も、入笠山山頂で日の出を眺めようと出発した。K君は奥穂から西穂のコースも経験済みとかで、ならばと山頂へ至るとっておきの登路を、二人のために教えた。



 K君らを送りがてらゴンドラ駅まで行く途中、60歳過ぎの旦那さんが奥さんの荷物を胸に抱いて、急坂を歩いているところに出くわした。乗せてあげようかと声をかけると、大丈夫だと旦那さんの返事。「奥さん、ご主人にばかり負担をかけちゃあいけませんよ」などと余計なことを冗談めかして言ったら、二人が笑って手を振ってくれた。折り返しに会ったら、今度は奥さんちゃんとザックを背負って、また笑顔いっぱいに挨拶してくれた。仲いい夫婦が微笑ましかった。
 山梨から来たという中年女性の二人ずれ、そしてかんと氏を見送ると(TBI氏は一足先に帰った)、いつから降り出したのか小糠雨がまた、静かな夕暮れを連れてきた。霧もすぐそこまで降りてきている。もう、きょうすることは何もない。山を下ろう。明日はまた、OZWさんとみろく山の会がやってくる。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。



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