入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「夏」(34)

2023年07月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


「アレ、お前たちそんな所にいたのか。何だ、そんな目でオレを見るのは。気に入らないことでもあるのか。
 ハハァ、昨晩の狂った雨を、またしてもオレの仕業と思っているのだろう。それは違うぞ。とんでもない誤解だ。
 天気のことは気象庁が大型コンプューターを屈指し、多くの専門官が検討して出した予報でもしばしば外れる。「気象予報士」という資格制度ができたのも、予報が外れた場合の責任の一部を彼ら彼女らにも背負ってもらおうとする同庁の深謀遠慮だと邪推する人だっているほどだ。もちろんオレはそんなひねくれた見方はしないが、いずれにしても、人間サマが天気を操ることなどできるわけがない」と言ってみたとて、牛たちは相変わらず素知らぬ態度を決めたままだ。

 一昨日、小入笠までの電気牧柵の下に生えた草刈りをした。頭まで残り100㍍ほどまで登ってきて、雷の音がやたら激しくなってきたのでついに断念し、その続きを昨日やり終えることにしたのだ。空模様が怪しかったから大分思案したが、一応雨にも対応できる身支度をして出掛けた。
 山に熱中していたころも、はっきりとしない天気に同じような気分になって、狭いテントの中でイライラを募らせたものだったが、今はそれも遠い昔の話になってしまった。
 
 途中で一つだけ新しい牛の落とし物を見付け驚いた。まだこんな場所までは来っこないと思っていたが、それはこちらの見込みが外れた何よりの証拠であった。それでも、半信半疑で急登しながら作業を続けた。
 念入りに草を刈り終え、山歩きと似たいつもの充実感をしっかり味わいながら下りてきて、きょうの写真のような風景に出くわしたのだった。この辺りは歴代の牛たちが好むだけでなく、鹿も頻繁に出没する放牧地である。
 
 入牧してすぐ1ヶ月になる。もう少し元気なところや愛嬌を見せろよと、冒頭のようなかなり"差し障り"のある言葉をかけてしまった。

   鳶色の瞳の奥に何事か悪しきをひそめ我を見る牛  宮沢賢治

 またこの歌だが、詩人も似たような思いで牛をみていたのか(漢字の表記には自信なし)。
 
 雨が降っている。3連休、各地のキャンプ場はかなり混雑しているそうだ。「混雑させないキャンプ場」を売りにしているここにも、もちろん予約は入っている。
 今年の梅雨はいつ明けるのやら。こんな天気ではここは肌寒いくらいだ。

「孫のいない生活など考えられない」と言った人もいるとか。これからそういう気分を存分に味わうことでしょう。おめでとうございます。
 
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  本日はこの辺で。

 
 
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