入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「秋」(54)

2020年10月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 ある人から「そう言っては何だけれど、少し気の毒な気がする」と、ここでの暮らしについてそんなふうに言われた。本人としては必ずしもそうは思っていないが、確かに70歳を過ぎた者がこんな山の中の牧場で一人、さぞかし思うに任せぬ日々を送っているだろうと同情されてもおかしくはない。
 その実態の一端を、と言ったらまずは仕事のことになろうが、それは折に触れてこれまでも呟いてきた。で、こんな山の中で暮らしの話題にできそうなこととくれば、食べることになるのか。実際そのことが、ここでの暮らしに大きな比重を占めていることは間違いない。
 昨日も新米を焚いておでんを食べた。このごろは毎食おでんが副食となっている。ただし、あくまでもお新香のような脇役としてである。これに時鮭の粕煮、カツオの刺身、酢をたっぷりと入れた納豆、塩辛、エシャレットの入っていない特製の味噌漬けと、塩分には要注意かも知れないが、以上それほど貧相な内容だとは思わない。カツオは山奥氏から頂戴し、新鮮なうちにさばいて冷凍しておいた。酒類は日本酒とビール。その後にリンゴも1個食べた。
 元来、酒の肴にはあまりこだわらない方だと思う。特に日本酒の場合は、夏でも熱燗しか飲まないが、上手い焼鳥とお新香があれば、それで充分である。稀に高級料理を馳走になることはあっても、酒と話に夢中になり、後で顰蹙を買ったことも一度ならずある。旅館やホテルで食べる料理にも、それほど関心もなければ期待もない。
 おでんの話に戻すと、冬の代表的な料理だと承知しているものの、他の鍋料理とは違ってそれほど好きというわけではなかった。出汁をひいて、自分で作るなどということはこれまでに何回あったことか。ところが、おでんは食べ続けても不思議と飽きない。カレーなど、3食続けてたべたらもう降参であるが、出汁と具を加えながら、もう1週間近く経つ。
 大事なことは、この料理にあまり頼らないこと、別の主たる副菜で味の変化を付けることだと思っている。牛すじが手に入らないから鶏肉で代用するなどかなり自己流ではあるが、変な話、美味過ぎてもいけないし、あくまで主菜に隠れた日陰者にしておくべき存在だと、このごろ分かってきた。
 因みに、食料の調達には富士見へ下る。距離的に近いこともあるし、値段は高いらしいが品質の良い食品が手に入るからだ。
 
 というわけで、夜中眠れぬままに食について呟いた。きょうは小屋にもキャンプ場にも少数の予約が入っている。そしてそれよりも何よりも、例の2頭の残留牛との決着をいよいよ付ける日だ。上手くいくか。
 本日はこの辺で、明日は沈黙します。
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