午前6時半、気温15度、曇り。今にも降り出しそうな天気の中、囲いには1頭のジャージーを含め6頭の牛の姿が見えている。他の牛たちはすでに広い第4牧区へ働きに出ていったようだ。
慌ただしかった昨日が終わり、また牧にいつもの平安が戻ってきた。気の抜けたような状態で朝を迎え、さてきょうは何をするかと考える。とりあえず一度高遠まで下り、東部支所で用事を済ませて戻ってくれば昼ごろにはなるだろう。
その後は天気次第となるが、雨が降らなければ屋外での作業、降れば管理棟で片付けや道具の手入れでもやることになる。
しかしきょう、どうしてもやらなければならないという仕事は思い付かない。というか、そういう仕事を今は見付けずにいたいという気持ちの方が強く、それはこの虚脱感、気だるさから来ているのだろう。やろうと思えばすることはいくらでもある。
今、「どこか風呂にでも入りに行こうか」と、唐突にも囁く声を聞いた。確かに、何を一番やりたいかと考えたらそれくらいしかない。高遠の帰りだと時間的に少し早過ぎるだろうか。
一度ここへ戻ってから、いっそ諏訪の温泉へ行くという手も考えられる。そうすれば、その帰りに某スポーツ店に立ち寄り、前から気になっていた古くなった作業用の山靴を捨て、新しい靴と換えることができる。
「おいおい、そんなことを独り言ちっても大丈夫か」と、心配してくれる人がいたらお気になさらず、昨日だけでも充分に二日以上働いている。
それはそうと、悪路のため久しく芝平の谷を避け、ここと里の往復はもっぱら千代田湖経由ばかりだった。あの集落を流れる山室川の川辺にはコスモスの花が咲く場所が幾つもあった。きょうは下りだけでも無理して芝平を通り、秋の花だけでなく無人の里にも無沙汰を詫びておこうかと考えている。
それと、きょうは「焼き合わせ」の気の早いツタウルシの紅葉も、もし撮れたら本年最初になる何枚かを撮ってくる。
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本日はこの辺で。