入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「秋」 (11)

2018年09月04日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 雨の降り方は、朝ここに着いたころはまだそれほどでもなかった。それが台風21号の影響だろう、昼になって本格的に降り出した。ただ、風はまだほとんど吹いていない。先程まで、囲い罠の中の3頭の和牛と1頭の乳牛はそろそろ塩が欲しいらしく、物欲しげな顔をしてこっちをじっと見ていたが、今は国有林と境になっている囲い網の傍で草も食べずにじっとしている。まるで、台風の接近を知っているかのようだ。
 その後、第1牧区の牛たちの様子も見に行くと、御所平には9頭しかいなかった。別の群れをつくっているはずの牛たちの確認をしようと牧区内を探し回ったら、塩場の西側下方にある踊り場のようなところにいた。ところが1頭足りない。咄嗟に事故の発生の可能性を考えてしまう。急いで近付いていったら、いないと思った牛は和牛で、遠くからはその姿がよく見えなかったのだ。安堵感と自らの迂闊さに、思わず笑ってしまった。
 牛の頭数確認も5,6年前までは100頭を超えていたから、きょうのような天気の日は苦労した。耳に付けた番号札で管理していたが、2日も続けて同じ番号を確認できないと、事故の可能性が一気に高まる。まずは牧区内を徹底的に探すが、脱柵の可能性もあるから、最終的には範囲は限定できない。1日かけて探しに探し、まさかと思った森の中の枯れ沢で死んでいる乳牛を発見した時は、さすがに力が抜けてしまった。
 牛も、雨が気にならなかったり、好むわけではない。それでもこれから明日まで、雨に打たれながら、特に長い夜を耐えなければならない。負けるな。

 山奥氏は昨日、漁場を離れる時わざわざ海上から連絡をくれた。釣果はマグロではなくカツオらしい。ヒュメ・ド・ポワソンならぬ醤油で味付けだが、だし汁にたっぷりの酒を加え大根と炊くと、立派な男の料理が出来上がる。日本酒にもビールにも、持って来い!だ。

 こんな天気では作業道の整備は中止して、早く帰ろう。そういえば、昼飯を食べるのも忘れていた。

「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。


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