(追記です。以前書いたのは下にあります。)
楽器をもって来てくださった方(暴風で電車も遅延したそうで)、足をとめて聞いてくださった方、皆さんありがとうございました!
実はとってもとっても不安だったんです。一般に呼びかけて、何人が、どんな方がくるのか、どんな楽器で、ステンマや北欧音楽を知っている方なのか全く分からないまま・・・。さらに、スウェーデンで一年、先生だったNiklas Roswall(ちょうど来日公演中)がのぞきにきていて、心臓とまるかと思いました。当時の先生たちが来日公演でやってきても生徒だった分際では近づけない!小心者なのです。だから話をするなんて毎回あきらめていたら何とこのイベントにやってくるなんて・・・しかもNiklasにしっかりなら曲でオープニング予定。私は、本番前にNiklasを見て大絶叫です。楽屋に走っていってまたそこでも大絶叫です(ご迷惑おかけしました)。もう倒れるかと思いました。でも、こういう時は逃げずに本人と話したほうが落ち着くに違いないと話しかけにいったらほんとにほんとにToboの時とかわらないNiklasに一気にスウェーデンの思い出とか全部こみあげてきました。そしてスタートして、参加型ステンマになるとほんっとに楽しく弾けました。こんなに楽しいことはないってくらい。後から、関係者の方にも良かったと言っていただけて安心しましたが、これはチームワークであり、偶然と縁の結果でもあります。
進行が苦手な私は頭が混乱するからと念押しして、毎度お世話になっている旭堂 南陽さんに、ステンマの説明諸々お願いしました。
私の大絶叫の動揺を絶対的な安定感のギターでサポートしてくれた岡崎さん。途中で様子をみながら調整してくれてどんどん気持ちの良い音にしてくれた音響さん。
Jan Johanssonの話ではつい声を詰まらせてしまいましたが、伝えきったところで拍手をくれた絵本作家の本間ちひろさん。
ステンマで楽しそうに一緒に弾いてくれる人たちの表情、様子。大手を振ってくれるNiklas。
絶妙のタイミングで手拍子を加えてくれた南陽さん、お客さん。
そして、飛び入りでとびっきりの音色を響かせてくれたリコーダーの織田さん。
あー良かった!!
これ全部がそろったから完成した奇跡のイベントでした。「またやってー」の「また」は再現できません。今回のこれに限って言えば一度きりで、またやるんだったらそれはその時の別のもの。
伝えたかったメッセージ。それは、私がやっている音楽は伝統音楽です。何年も何百年も前、おじいちゃんやおばーちゃんがいて、貧しかったりお腹を空かせたり、パーティで楽しんだり、悩んだり、私たちのような普通の暮らしと普通の人。その人たちが残してくれた曲(Jan Johanssonのように皆に愛される曲を作った人も含め)、これは大事に大事に語り継がないといけないと思っています。物語も、書籍やデジタルで残しすだけでは意味があまりなく、これを人が人へ語りつぐからずっと残っていくのだと信じています。私みたいなふつーの人がそんなことを思っても言ってもきいてくれる人なんかいないはずなのに。こうして伝える機会があり、一人でも共感してもらえるというのは、すっごくすっごく私ってラッキーなんだなって思います。一年の締めくくりの12月にとても良い経験をさせてもらいました。みなさーん、ありがとう!
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(最初に書いたほうの記事)
今年の阪神百貨店の北欧フェアで、「ステンマ」風の企画があります。
ステンマとは、スウェーデン語で伝統音楽フェスティバルのようなものです。でも、ステージを見るためではなく、来た人みんなが聞いて楽しんだり、弾いて楽しんだり、人との出会いや交流を楽しんだり、参加型なのです。
ステンマ風の企画というは、つまりセッションのようなことをやりましょう!というもの。
毎日それぞれ色んな方が担当するのでチェックしてみてくださいね。私は12/11(金)18:30-です。
最初にギターの岡崎さんとのデュオで1-2曲聞いていただいて、集まり具合をみてから皆さんと弾く予定です。人が集まらなかったら、セッションはせず、そのままライブ続行になるかも!?都合のつく方、ぜひ一緒に弾きましょう!
金曜の予定曲(※全部やるとは限りません。候補曲です。) クリックでPDFが開きます。
・長靴下のPippiのテーマ曲(各日の共通曲)
・Dansa flickor(各日の共通曲)
・Polska "1814"(金曜の候補曲) ※スウェーデンでセッションの定番曲。
・Vals från Lyby(金曜の候補曲)
・Polska efter Schedin(金曜の候補曲) ※スウェーデンでセッションの定番曲。無印のCDにも入ってますね。
「Lybyのワルツが入ってる!」って思った方、さすが!
前回の記事で書いた「デニカル(Danish String Quartet)の話題で書きましたー☆これを弾かないと今年は終わらない気がしてます。
そして、長靴下のPippiのテーマ曲。スウェーデン人に聞いてみてください。知らない人はいないアニメソング。(日本でいえばサザエさんの歌みたいに昔から変わらないメロディで、大人も子供も知っている、みたいな感じでしょうか)
実は、これも前回の記事で登場した「Jan Johansoon」が事故で亡くなる直前に作った曲なんです。数日前に調べていて知ってびっくり!
彼は1931生まれ、1968に亡くなったそうで、前から早くに亡くなったんだなとは思っていましたが、詳細を知りませんでした。
ジャズピアニストとして活躍し、またスウェーデンの伝承曲をジャズアレンジにするという伝統文化も愛する人で、どんな人物か分かりませんが演奏スタイルや音楽の方向性を聞く限り、あたたかく誠実そうな雰囲気がします。当時、長靴下のピッピの絵本はとっても人気で、TV化されテーマ曲を依頼されたとき、(多分、数えてみたら)6歳と3歳の息子さんがいて、きっと自分の子供やスウェーデンの子供たちに愛されるメロディを、とわくわくして引き受けたのかなーって想像してしまいます。そして1968年のある日、教会で行われる自分のコンサートへ向かう途中、事故にあい亡くなってしまったのでした。37歳です。TVシリーズは翌69年にスタートしました。本人はTVから聞こえるピッピの歌を聞くことはできなかったけど、こうしてスウェーデン中で愛されるメロディになったこと。物語や歌はずっとずっと時を経ても残り続けること。改めて感じます。
彼の伝統音楽をジャズピアノで弾いたJazz på svenskaは、彼の死後も何十年たっても売れ続け、スウェーデンのジャズの分野で、最も売れたCDの一つと言われています。私には、彼はジャズピアニストとされていますが、伝統文化を伝える伝承音楽奏者と思えます。
Pippiや作者のアストリッド・リンドグレンにだけスポットが当たりがちですが、こうした、一瞬きらめいた流れ星のようなJan Johansoonのことも伝えれたらいいな。
ではでは、楽器とわず、初心者、つわもの問わず、お気軽に参加してくださいね。
選曲の内、1814はニッケルハルパを弾き始めた頃に覚えた曲なのでとても懐かしいです。今回は手ぶらで行くので一緒には弾けませんが、いつか機会があればぜひ。
ということで来週から関西参ります。阪神でお会いできることを楽しみにしています。
そろそろ関西入りですかー。
ぜひお待ちしています!
私も泣きそうになりましたが、イベント仕事中なので、ぐっとこらえました。
また、本田さんのニッケルハルパ、聴きたいです!
とても素敵な企画でしたねー。
あれからピッピの絵本を何冊か買いましたよ。
皆に配ります!
あの時は色々とあって、もう演奏なんか…という時期でした。Jan Johanssonの話がどうしてもどうしてもしたくてお話したら少しふっきれました。色んな不思議な縁ですね。
無印良品のBGMのpolska efter schedinが大好きでピアノ楽譜が欲しくて探していますがまったく見つかりません。
調べて初めてスェーデンの曲ということもわかりどうしたらよいかまったくわからなくてこまっています。
もし良ければこの曲について、そして日本で楽譜入手可能か教えていただけるとありがたいです。
コメントありがとございます!
お尋ねの件です。
結論として言うと、残念ながら楽譜はありません・・・。
スウェーデンの伝統曲は、口伝えによるものが大半です。今でも習う時には伝統的に楽譜を使わないスタイルです。(楽譜を使う場合は編曲、アンサンブル等、明確な目的がある場合のみ)
口伝の曲を無駄を省いたシンプルなメロディ譜にして、ウェブで蓄積するというのは沢山あります。Folkwikiなどがそうです。(folkwikiにこの曲は掲載されていませんが)
ただし、こうしたメロディ譜に、独特のリズム、アクセント、遊び、装飾、一切書かれていないのでスウェーデンの伝統曲を知らない人が演奏すると違う曲調になってしまいます。
CDなど参考で聞く場合、必ずスウェーデン人の演奏を聞いてくださいね。欧米人の演奏は、リズム、遊び、編曲、すべてにおいて少しずつですが、スウェーデンの伝統曲スタイルとは違っていて知らずに最初のお手本にすると危険です。
(1600-1800年代に街の教会のオルガニストや学識のある人が楽譜集にしたものもありますが、独特な雰囲気があって口伝のものと違うな、と聞いて分かります。)
そして、曲の演奏は、口伝の曲でも楽譜集の曲でも、耳で聞いたメロディを即興的に演奏するのが普通です。相手の音を聞いて音を転がしたり、合わせたり、離れたり。ジャズの即興とはまた違うんですけどね。相手の呼吸に合わせるという演奏をします。またこういう曲は伝統的なダンス(Polskaなど)の伴奏のための曲なので、ダンスの骨格からかけ離れたアレンジはにしません。
この無印のCDの曲ですが、フォーク(伝統音楽)のピアニストではなく、ジャズピアニストが弾いているので、推測の域をでませんが、ジャズピアニストのほぼ即興に近い伴奏、その伴奏に呼吸をあわせたメロディの演奏、というものだと思います。
もし、mayuさんが、メロディが好きだというなら、ネットでPolska efter Schedinのシンプルなメロディ譜は沢山みつかると思います。スウェーデンでも、そうしたメロディの伴奏は自分でコードやアレンジを考えてつけていきます。
これはオクターブ上で書かれた楽譜です。
http://www.stefanlinden.se/BL/polska%20fr%20Tarnsjo%20SvL%20Vs230%20AT.pdf#search=%27T%C3%A4rnsj%C3%B6+Schedin%27
もし、CDの通りに弾きたいというなら、これは耳コピしかないですね。
ちなみにこの曲は、「Schedinによる(Schedinが伝えた)ポルスカ」という意味で、弾いていたけどその人が作った曲かは不明という時にこういう言い方をします。
Schedinは、Johan Schedin, John Erik Schedinという親子のどちらかのことで、ウップランド地方に住んでいて、ヴェストマンランド地方へ引っ越したので、どちらの地域でも有名な曲です。
楽譜はないんですね。でもまたそういう伝統もとても素敵ですね。
教えていただいた情報をもとに、少しづつポルスカの事を知りながら弾いてみようと思います。
本当にありがとうございました。