スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

Harjedalspipan

2007-06-12 23:56:10 | おススメCD~Swedish folk
Härjedalspipan

トラッド度合 ★★★
アレンジ度合 ★☆☆

話は5月末に戻し、学校が終りみんなが寮を去る頃のこと。

それぞれの地方出身者に、それぞれの地方の伝統曲を教えてもらうなり、録音や楽譜をコピーさせてもらうなど
最後の収集をしていた。

その時、セーデルマンランド地方の友人が「そういうことなら、私の出身とは関係ないけど
HärjedalspipanってCD持ってる?」と聞かれた。
(注:ニッケルハルパのCDではない)

タイトルの通り、Härjedalen地方の曲。
アーティストはAlle MöllerやMats Berglundなどなど。

彼女によると「曲がすごくかっこよくて、みんなそのCD持ってるから、セッションとかでその地方の曲を弾くとなると
そのCDに入ってる曲が有名」なのだそう。

さっそく買ってみると、ふむふむ。どこかで耳にした曲がたくさん。
コンサートや他のCDとかじゃなく、確かにどこかで誰か弾いていたなぁという感じ。
それだけバイブル的存在ということなのかも。
試聴はこちら

タイトルに「pipa」とあるくらいだから笛が主役だけど、バイオリンも2人いる。

脱線ネタ

話が完全に横にそれてしまうけど、「バイオリン」と「フィドル」について一度触れて見たいと思っていた。

日本では「バイオリン」と「フィドル」と、名称を使い分ける傾向がある。
どちらも同じバイオリンのこと。
「バイオリン」という名称にはクラシック音楽のイメージが強すぎるからか、
ジャズ、ポップス、民族音楽、その他のジャンルでは、「フィドル」(英語でバイオリンの俗称)という呼ばれ方をすることが多い。
フィドルと聞くと、カジュアル感が増すと思うし、私も以前は普通につかっていた。

でも。しかし。
スウェーデンで「フィドル」という名称は一般的ではない。
バイオリンはスウェーデン語で「フィオール(fiol)」。
ジャンルも関係なくフィオールだ。
英語で話すときにわざわざ「violin」、「fiddle」といい分ける人は、私の出会った範囲では、よほどの通だ。
(アメリカなど海外ツアーの多いウロフは普通にfiddleと口にする)

スウェーデンで、fiddleと言うと、逆に「ふふんっ」て感じがしたり、アメリカン・ジャズやブルーグラスをしているの?と
英語の響きから「民族音楽」ではなく「英語圏の国の音楽」をイメージすることも。
そして私がfiddleというと、聞き返されて2,3度言うか、バイオリンと言いなおすことが多いので、
スウェーデンに来てからは、すっかり「バイオリン」一本化してしまった。

思うに、スウェーデンのバイオリンは「バイオリン市民権」を得ていて、一般にフツーに浸透していて、
クラシックが正統派だの軽音楽は軽いだの、他ジャンル間での垣根が低いのかも。

お国事情、おもしろいなと思いました。

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★の意味

独断と偏見でどちらの色が濃いか、★を使って3段階表示しました。

トラッド度合
素晴らしいテクニックや、マニアックな曲など、伝統的な特徴を聞きたい人などにはたまらないですが、
トラッド色が濃くなると興味のない人には退屈かもしれません。

アレンジ度合
アーティストとしてアレンジもカッコよく、独自の作品を作り上げています。
本来のトラッドの姿からは結果、遠くなります。
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