海からの富士山を見るには天気がイマイチ。
天気の崩れは、東側の方が時間的に遅いはず。
そこで、予定を変更して梅を見に熱海駅前へ。
梅まつりの看板は出ているのだが、道順の案内がない。
大きな観光案内板を見るも、なかなか梅園が見つからない。
やっと見つけたその場所は、一番左の一番上の隅の所。
なんと隣の来宮駅の近くなのであった。
これからまた一駅だけ電車に乗るにも、肝心の電車が来るのを待たなければならない。
たった一駅ぐらいならば歩いてしまおう。
駅から海の近くまで降りて、また山側に上らなければならないのだが、熱海の街を眺めながらのんびりと歩く。
向うの山の中腹には熱海城が見えている。
来宮駅に到着。
ここまで来ればあと一息で梅園だが、ずーっと長い上りなので何回も休みながら歩く。
熱海駅を出てから、約1時間で梅園に到着。
梅まつりは1月1日から3月4日まで。
もうすでに始まっている。
梅まつりが始まっているにしては人出はまばら。
入園料は、今はまだ無料だという。
さっそく中に入ると、ほとんどの梅はまだ咲いていない。
咲いているのは、早咲きの八重寒紅。
甘酒、にごり酒、梅酒の文字ばかりが目に入ってしまう。
梅園は初川に沿って細長い。
今年は、開花が3週間は遅れているという。
例年ならば12月中旬には咲き始めるので、今年も1月1日を梅祭りの初日にしたのだという。
梅の咲いていない梅見の滝。
滝の裏側に回りこんで見るが、
やっぱり、梅の見えない梅見の滝。
八重寒紅は咲き始めている。
が、全体を見ればまだまだ一分にも満たない。
暫し、梅園内にある足湯を楽しむ。
梅を見ながらの足湯であれば、申し分ないのだが・・・
足湯の近くで始めて白梅が見られた。
足湯があるので、周りより幾分温かいのかも。
足湯に浸かりながら紅白の梅を楽しみたかったのだが、足湯を出てからの発見であった。
園内に移築されている中山晋平の家。
中山晋平と言えば、「ゴンドラの唄」、「カチューシャ」、「雨降りお月」などが思い出されるが、ここ熱海に住んでいたとは知らなかった。
さて、何と書いてあるのか達筆すぎて分からない。
案内板によれば、芭蕉の句であるという。
これもまた始めて知ったこと。
熱海といえば、金色夜叉の貫一とお宮。
画面右が貫一の梅、左がお宮の梅。
海岸にある「お宮の松」は有名だが、この梅園も物語の舞台の一つであったとは。
「お宮の梅」はまだ開花せず蕾だが、「貫一の梅」には一輪だけ白い花が咲いていた。
梅の蕾は赤いものだが、数ある蕾の中に緑色のものを見つけた。
青い花が咲くという。
緑と書いてあおいと詠む場合もあるので、蒼い花あるいは緑い花だと思うが、ぜひ開花したところを見てみたいものである。
今回は海からの富士山も、梅園を彩る梅も見られず。
すべては天候次第ということを改めて知らされた。
しかし、この梅園に来て始めて知ったこともある。
中山晋平のこと、芭蕉句碑のこと、貫一とお宮の梅のこと。
犬も歩けば・・・ということか。
なにはともあれ、甘酒でもいただくことにしよう。
(写真と文 by pokkunさん 2012年1月22日現在の情報)