モッチリ遅いコメの距離感

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ネットワークオーディオプレーヤーについての雑感

2021-04-28 06:25:42 | オーディオ
玉石混交で各社がネットワークオーディオプレーヤーを出していた時代は終わり、その進歩も落ち着いた感のあるネットワークオーディオプレーヤーだが、ある程度落ち着いた所での自分の考えをまとめてみようというのが今回の記事(書いてみたら全然まとまらない)。

ネットワークオーディオプレーヤー(NAP)に関してはオーディオファイルの大半が使いこなせるものではないらしく、アナログ回帰、ディスク回帰の流れもあり主役とはならなそうだ。再生機器の選択肢の一つとして定着した感はある。その立ち位置に対して各社対応が分かれたようだ。
主力商品として出し続ける企業と、主力商品にはネットワークを載せず実質的には撤退した企業、機能としては組み込んでいるがあまり注力せずオマケ扱いで入っている企業である。
NAP機能は海外ではあった方が売り上げ増加が見込めるがメインに据えて馬鹿売れする訳でもない。そしてNAP機能は完成度を高めないと、完成度の高い他社と比較されて明確に劣ってしまう。NAP機能のノウハウは音質向上のノウハウと異なる所が多く、むしろソフトウェアのエンジニアの領域が多い。トランスポートからUSBで受けてしまえば、その下流はオーディオ技術のみでオーディオメーカーの領分である。という諸々の要素が絡んでいるからと思われる。

そして搭載されているのはOpenhome準拠のもの、独自規格によるもの、一般的なのもの、がある。独自規格も概ねOpenhomeを超えるような利便性を達成しているものもなく、基本的にはOpenhome準拠しているかどうかが「使えるNAP」かどうかの基準に現在でもなっており、今後もしばらくはその状態が続くと思われる。
Roonという再生ソフトもあるが、音楽ファイルの整頓やブラウジングを自分で思ったとおりにやりたいという用途では向いておらず、高額でもあり、日本語環境でのコンテンツもあまり力が入っていないので今回はメインには据えていない。今後も残るだろうが恐らくこの価格だと主役にもならないだろう。
ストリーミングは結局ハイレゾを含めて非圧縮音源を大量に揃えるという配信会社が出てこないようだ。amazon musicHDに至っては大半のプレーヤーが非対応であったりブラウジングに難があったりとオーディオファイルにとってのメインツールになる日はなかなか来ないような情勢である。

そしてuPnpのブラウジングであるが、一般的な用途では規定のブラウジングで良いのかもしれないが、クラシック音源を含む場合はアルバム単位という概念がほとんど不要であり、演奏者と作曲者の両方で探さなければならず、同じ演奏者でも録音が複数あるので特殊なブラウジングが必要である。それをなし得るために必要なツリー構造の編集が未だにasset uPnPしか対応していない。
asset uPnPは現時点ではオーディオ機器として売られているネットワークオーディオサーバー(DELAとかFidataとか)にはインストールできず、PCやQNAPなどの一般用途のものにしかインストールできない、比較的マイナーなサーバーアプリではある。
正直なところツリー構造の自由な編集は他のアプリでも可能であるべきだが、できないのであれば仕方ないのでオーディオ用として販売されているサーバーにもインストールできるようにして欲しいと思っている。
基本的には有料アプリではあるが機能制限版の無料でもDSDを扱わないならほとんど支障なく使え、不具合もあまりない良いソフトだと思っているのでマイナー扱いは残念である。

Openhome準拠のNAPは多少選択肢は増えたがよりどりみどりとは言えない状況だ。
主にLinnのプレーヤー、Lumin/Esoteric/TEACの似たようなコントローラーを持つプレーヤー、後はスフォルツァートのプレーヤーという選択肢くらいしか手頃なものがない。
Linnはデジタル機能からDACやアンプまで統合する傾向があり、アプローチも独特なのでやや万人向けとは言い難い。割高感も元々あったがさらに目立ってきている感もある。
LuminはD/A変換には特別高い評価はあまり聴かないのでトランスポートが選択肢として選ばれやすいのかもしれない。100万を超えるモデルもあるが、30万以内に収まっているものもあり、価格帯的にも懐は深い。
EsotericやTEACはディスクリートDACを乗せてD/Aに力も入れているが、デジタル出力がないので好きなDACと組み合わせることができないのが残念なところである。Esoのトランスポートを使えばデジタル出力も可能だが、内容からするとやや高価なものとなっている。
スフォルツァートはプレーヤーからトランスポートまで様々に取りそろえてあるが、新しいトランスポートが比較的にお手軽で力も入っているようだ。他社がDACに注力している中でそのあたりのトランスポートが重宝してくるのではないだろうか。
コメント
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