モッチリ遅いコメの距離感

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作業用通路を前提とした天井の調音の仕方を考える。

2021-04-08 08:31:58 | オーディオ
天井の調音をどうするかというのは以前から悩んでいたが、その理由は以下の通り。
・床がシンプルな反射になりやすいので、対向している天井でそれなりの吸音や拡散をさせる必要性が高い。
・重力による落下があるので天井に調音体の設置の難度が高い。基本的には固定が必要で、中途半端な固定だと落下事故の危険性がある。
・調音体の固定をすると調節が煩雑になる。
・天井は高所なので調音体の設置や撤去が困難になりやすい。

この辺りは解決が難しかったが、前回の記事のようにサイドの高所に格子の作業用通路を設置し、通路自体を拡散体にするというアイディアを書いたが、それを組み込むと高所の作業性が格段に改善する。
作業用通路があることが前提で以下の様なリブを入れると天井の調音がかなり現実的なものになることに気付いた。


引用:鹿島木材

上の写真のような感じで天井から少し隙間を空けて、天井下にリブを設置する。
今回は天井から10cm離して10cmの長さのリブを置くことにする。
イメージとしては下図のような感じ。



その設計でリブ自体が往復で40cm分の拡散効果が得られるので200Hz程度まで1/4波長以上の位相を分散できる。
それ以下は定在波になってくるので十分だ。
天井に拡散目的でリブを入れるのは以前も考えたことがあったが、今回新しく組みこんだ発想として、作業用通路からリブと天井との10cmの隙間に吸音ボードや拡散体などを下図のように設置することができる。



例えば天井の一次反射面あたりのリブの上にグラスウールボードを置いて一次反射を緩和することでの響きを測定したり試聴したりして気に入ればそのまま、気に入らなければ外すなど自由にできる。
リブがあるのでフラッターは起こりにくいだろうが、気になるようであれば対応できるし、天井の響きが多すぎるようであれば総量を減らすこともできる。

調音体の落下の危険はリブの間隔よりも十分大きければ多少の重量物でも基本的に心配ない。
固定している訳では無いので、固定が剥がれて落下の心配は基本的にいらない。固定してないので調整も楽ちんだ。

上から見るとリブを設置する位置はこんな感じ



作業用通路で隙間から挿入するので、地震の際に隙間から落下する可能性が、それは作業用通路に落ちるだけなので、人身事故や物損事故もあまり想定されるものではない。

天井の拡散や吸音を行いつつ、それを調整可能としつつ、安全性も損なわないようにするにはどうすればいいのかと長く考えていたが、
今回の案はそれなりに高水準に達成できているような感じがしている。
コメント
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