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モッチリ遅いコメの距離感

オーディオルーム、シアター、注文住宅などに関してのblog。

オーディオルームの優先順位を考えてみる

2021-06-20 22:10:31 | オーディオ
家庭内試聴の室内音響について配慮すべきと言われていることについて、いくつか言われていることがあるが、何を優先すべきか、断片的に考えたことがあるのでそれを書き出すことで整理してみる。

・防音
・吸音率
・フラッターエコー対策
・定在波対策
・初期反射音の対策
・後期反射音(残響音)の対策
・部屋の大きさ


少なくとも防音はかなり大事だと言える。なぜなら音量を十分に出せないなら
せっかくダイナミックレンジがを十分にある音源を再生しても、小さい音の表現が可聴閾値以下の音量になってしまうからだ。
小音量でもすべての音を拾うには聴力検査で並の人よりも数十dB小さい音まで拾えないと不可能だ。
ただ、音楽再生は楽器演奏やホームシアターと比べると出音はそこまで大きくない。
なので上記のものと比べると防音はそこそこでも良いと思う。
それよりも大事なのは近隣の住居や同一建物内に迷惑がかからない工夫をすることである。
建物の防音自体にコストをかけるのはある一定を超えるとコストパフォーマンスが非常に悪くなってくるので、
それ以降にコストをかけるよりは、周囲に迷惑がかからなそうな場所を確保する方にコストをかけた方がいいと思う。

防音ができず小音量になってしまうなら残響音の多くが可聴音量以下になってしまうので残響時間が長いか短いか残響が包まれる感じかどうかなど良く分からないので小音量で残響をデザインする意義はあまりないと思う。
なので、防音>後期反射音(残響音)の対策なのは明らかであり、残響時間と関与する吸音率も優先順位は落ちるので防音>吸音率である。

部屋の大きさも大きすぎると響きが長くなりすぎるが、常識的な住宅であればそこまでにはなりそうもないので、大きければ基本的には良いと言える。
大きければ初期反射面の影響も小さい部屋よりも和らぎ、残響時間も確保しやすいので何もしなくても残響が比較的良い物になる。
定在波も立方体などよほど特殊な部屋でない限りは大きな部屋であれば低音も出やすいし配慮しなくてもそこそこのものになる。
なので部屋の大きさ>初期反射音、後期反射音、定在波対策と言える。

定在波対策は一から部屋を作れる場合は是非意識しておくべきだし後から変えるのは難しい。
だが一から作ってないような部屋の場合、定在波となるような超低域の遮音がしっかりできないことがほとんどであり、たいていの場合はほどよく外に抜けるので勝手に多少は対策できてしまっている。
部屋の寸法比も縦横高さが全て同じという部屋はまず存在しない。
そもそもオーディオリスニングの場合定在波となる超低域の周波数はあまり使われない。
という意味では実際の所あまり重要視しても仕方ないのかなと思う。

フラッターエコーは明確な音響障害で、発生する空間の音は明らかに悪い。特定の周波数を含む音はビィィンという特異な残響音を残す。明らかな悪である。
初期反射音の処理に関しては諸説あり、無処理の場合も普通に想定される。後期反射音(残響音)はリスニングルームという小空間の場合知覚できるほど残らない場合も多い。
なのでフラッターエコー対策>初期反射音の処理>後期反射音の処理といえる。

吸音率は後期反射音の処理と関係が深いが、そもそもオーディオルームのような小空間の場合、残響時間があまり取れないので部屋全体のマクロ的な視点では吸音する必要性がそれほど多くない。吸音率を気にしない→意識して吸音部を作らないという選択をしてもそんなに悪いことにはならないのではないか(当然ながらデッドな音が好きな人であれば話は別だが)。
なので吸音率はあまり重要とは思えない。

部屋の大きさと防音どちらが大事かというと難しいが、防音(騒音公害への配慮)という意味では大きい部屋でも周囲に騒音公害を及ぼすならオーディオルームとして使ってはいけないと思うし、そもそも周囲に音で迷惑をかけかねない部屋は外からの音も中に入れてしまう部屋なので、外からの雑音というノイズが音質に悪影響となる。
となると

①防音(騒音公害への配慮)
②部屋の大きさ
③フラッターエコー対策
④初期反射音の処理
⑤後期反射音(残響音)の処理
⑥吸音率
⑦定在波対策

ということになるのかなと思う。まああくまで個人の感想だけれども。



ルームチューニングの再考察:時間軸の拡散だけで諸問題解決できる条件の考察

2021-06-19 00:03:09 | オーディオ
仮想オーディオルームを考察して最終的には可変性重視を良しとする考えに至り、それ自体の大枠に変更はないのだが、
拡散に対する考察が中途半端だったので再度考察してみる。

極力全面に高度な拡散を行うことも一つの正解となっているが、専門家の中でも拡散性を極限まで上げるだけでは良い響きにならないと考えている専門家もいることは事実である。
その理由はさまざまであるだろうが個人的な考えとしては、残響音はある程度存在すると聴感上の良好さに寄与するのは事実だが直接音に対するノイズ成分とも解釈できる。高度すぎる拡散は初期反射を残響音に変化させるため直接音の明瞭度が落ちる原因となる。
では拡散性を低くするとどうなるか?初期反射音が直接音と干渉し周波数特性を低下させる。そして残響感が減り、残響による聴感上の効果を得られない。

結局の所はほどほどの拡散を行うのが正解の一つとなるだろうし、自分の志向としてはそれを旨としている。
ではどういうやり方でどの程度拡散させるのが良いかというのが今回の思考実験のメインテーマである。

スピーカーよりも外側から到来する初期反射は見かけ上の音源の幅を増大させ、聴感上の好ましさを与えていることは科学的に検証されているのでそこは利用したい。
逆に内側や後方からの初期反射は聴感上のマイナス効果があると検証されているのであまり利用したくない。
利用したい部分と利用したくない部分があるのであれば、利用したい部分は高度な拡散を行わず、利用したくない部分は極力拡散すべきとなる。
部分的に拡散させておけば結果的に残響もほどよい感じについてくるはずなのでコンセプトとしては良さそうに思える。
ただ、利用したい部分の初期反射面もそのまま利用すると直接音と位相干渉し周波数特性が悪くなってしまう。
そこで利用したい部分の初期反射面は反射方向を拡散はさせないものの、いっぺんに反射させず、細かくタイミングを少しずつずらして反射させれば位相干渉を緩和できるのではないかという発想になる。


これ自体は以前から考えていたが、実際にそうなるのかシミュレーションで検討してみる。
利用したいのは基本的にはスピーカーと同側の壁であとは床と天井が使えるか使えないかという程度である。
前壁・後壁・反対側壁ははじめから拡散とする。
以前の深さ30cmの棚を敷き詰めた仮想本棚部屋で考えると壁に当たってリスニングポジションに入射する場合の遅延が1.85m、棚の再前方で反射する場合の遅延が1.34mと考えられる。




つまり1.34m~1.84mの間で遅延量が分散された場合にコムフィルタ効果がどうなるか考えてみると下のグラフのようになる。なお床の0.74mの遅延も同時に入れ込んでみた。


青い点は無視しつつ、上の青線が直接音を増幅させ、下の赤線が直接音と干渉し減衰させる。横軸は周波数である。
表計算ソフトの簡単な計算でしかなく、人に見せる工夫はされてないので分かりづらいのだが、300Hz近辺での位相干渉によるディップが大して緩和されていないことがわかる。400Hz辺りが逆に持ち上がってしまいそうだ。それ以降はあまり問題にしなくていいだろう。そして床の反射波はピークディップを緩和させる効果がなくむしろ悪化の助長をしているように見える。

では側壁の奥行きをさらに15cm増大させ、1.34m〜2.09mの遅延量の範囲で分散させるとどうなるか?
下のような感じになった。


比較的相殺され周波数特性が極端に減衰する場所がなくなった。
棚の前方での反射を多めにするとさらに周波数特性的にバランスがよくなった。


この条件を得るにはスピーカー側の側壁とスピーカーは1.42m離しつつ45cmの棚の厚みが必要ということになる。
全ての壁でこの棚の厚みは厳しいので側壁の一次反射面のみ棚の奥行きを変えてもいいのかもしれない。

壁との距離1.42mは仮想ルームではサイズオーバーなので、元の1.34mの壁から45cm棚を設置してみる。1.10~1.85mの範囲での遅延で棚の前方で反射を多くする配分にすると下図のようになる。



元のサイズでも良い感じに周波数特性の極端な凹凸が相殺されそうな気がする。床の影響も凹凸を平らにする方向で配置されている感じだ。これなら機能することを期待できる。
棚の深さを40cmにすると不十分だったので、一次反射面の棚の深さだけ45cmにするというのは仮想ルームでの一つの改良点となりそうだ。



これだけ工夫をしても周波数の凹凸は完全になくならないし、凹凸を完全になくしたいなら高度な拡散や吸音でもいいだろう。
ただ今考えているのはモニタールームではなくリスニングルームである。
リスニングの場合周波数特性はある程度整っていれば良いのではないかと考えており、極限までフラットにすればモニターには好都合だろうが、リスニングとしては悪い音ではないという評価止まりである。
むしろ音の歯切れの良さ、音像の広さ、音像の明瞭さ、普通の部屋では味わえない残響感などがある方が特別な音、良い音、感動する音になってくれる可能性があり、周波数特性とのバランスを勘案しながらそれらを引き出す工夫が大事なのではないかと思う次第である。

アフターコロナの日本・世界を考える。

2021-06-17 12:20:12 | その他
オーディオ・シアター・家のことしかほぼ書いていないブログではあるが、
今後コロナ禍が終わった後の日本と世界を予想しようとすると、文章にしないとなかなか整理が付かないので今回の記事にする。
数年後に見返して自分の身通す力の無さを笑うためのネタにでもなってくれればと思っている。

おそらくコロナ禍は今年度末へ向けて終息に向かうだろう。
日本、世界でワクチンが普及しはじめておりその効果もでている。
そのせいか新規感染者もある程度減少している。
ただ昨今の減少はワクチンだけでなく気温の上昇によるものもあるので、
気温が低下する頃にはまた少しは増加するだろう。ただ今年の秋冬になる頃にはさらにワクチン接種が行き渡っており大混乱をきたすことはないのではないか。
そして再び春になる頃から先はワクチンと気温上昇で緊急事態宣言を発出することはなくなるのではないか。

ただSIRSのように消滅するわけではなくインフルエンザのように風邪の延長線上の感染症として定着するだろう。
コロナ禍の国民総動員的な感染対策のかいがあってかインフルエンザ感染症は激減し、絶滅寸前になっている。インフルエンザが激減するほどの感染対策を施しても広く伝播したコロナウイルス感染症はインフルエンザ感染症の伝播力を遥かに超えていることは疑いようがない。
コロナウィルス感染症がインフルエンザ感染症と比較して恐れられている原因は先に述べた伝播力もさることながら重症化率が高いことにある。
重症化率が高い理由は免疫獲得していない人が多いからであり、変異による弱毒化が十分なされていないからである。
ワクチンにより1度免疫獲得すれば継続して接種するにしろしないにしろ、重症化率はある程度下がりインフルエンザ感染症程度にまで脅威の度合いが低くなるのではないか。
変異を繰り返すと弱毒化する傾向があると言われており、そうなればなおさらである。
なのでアフターコロナの時代はコロナウィルス感染症は残っているがインフルエンザの位置にコロナが置き換わる形で存在し、やや重症の風邪というポジションで人々に感染し続けると思われる。

ではアフターコロナの時代はビフォアーコロナの時代と同じで単にインフルエンザという名前がコロナに置き換えただけなのかというと、おそらくそうはならないだろう。
今までも職場や学校などで風邪やインフルエンザは流行していたが、少しの体調不良で休むことは悪となりがちであり、体調が優れなくても出勤する通学することは悪ではなかった。
他の人に風邪を移すと周りに迷惑がかかる割に、その迷惑が過小評価されていた節がある。その迷惑を過小評価していた割に欠勤欠席の迷惑が評価されるものだから、風邪でも動ければ出勤出席すべきとなりがちであった。
アフターコロナの時代ではコロナがインフルエンザ程度の脅威になったとしても体調が優れない人は家で休むというのが正解だと認識され、それを破るようであれば他の人から咎められるようになるだろう。

コロナが風邪の延長線上になったとしても、大半の人にとって当面の間はコロナウィルス感染症は風邪とは別格の恐怖となるだろう。
ワクチン接種によって脅威が減少したとしても重症化リスクがゼロになるわけではないので誰も安心しなさいとは断言してくれない。
感染制御のためにこれだけ国民に広くコロナウィルス感染症の脅威について植え付けられているので、例え重症化しないとしてもコロナ感染を恐れる心理は深く根付いていると思われる。

旅行などの行動はどうなるか、世界的にも旅行控えによるフラストレーションは相当溜まっているように思える。コロナが終われば皆が旅行を計画するだろうとも思える。
ただコロナパンデミックは突然明確に終了するとは思えない。先に書いたように気温によって増減を繰り返しつつ最終的にゼロにはならないまま脅威が減少した状態で定着すると思われる。
だからこそ、コロナ禍が終わったと判断するのは人それぞれの考え方や地域によって異なると思われ、皆が同じタイミングで旅行を始めるということにはならないのではないか。

規範はどうなっていくだろうか。コロナが脅威が減りつつ定着し、コロナへの恐怖を全国民に植え付けられた状態が想定されるので、今忌避すべきこととされている大人数での会食などは忌避され続け、以前よりは行われなくなっていくのかも知れない。
先に書いたように他人に感染症を移すことの罪深さが植え付けられたため外出時のマスクは今後も続くのかもしれない。

経済はどうなるだろうか。物流は今のように滞ることはなくなるだろうが、以前ほど供給の多様性や潤沢さが無くなっていることが顕在化された感がある。
今後も欲しい物が手に入らないというのはコロナと関係なく今後は頻発することのように思われる。
財政は慢性的な赤字であったが、コロナ禍を機に大きく悪化した。それを一気に財布の紐を締められるだろうか?恐らく締められる国もあれば締められない国もあるだろう。
そして日本は締められない国となるだろう。財政ファイナンスが影響していると思われる円安は続いている。財政が赤字を続けてもハイパーインフレのようなハードランディングは起こらないとしても円安によるコストプッシュインフレという実質的なスタグフレーションが続き、財政のツケを物価高という形で払わされるのではないだろうか。

防音室のあり方

2021-06-14 13:07:11 | オーディオ
数年前に防音室付きの戸建てを作ったけれども、結論から先に言うと離れ棟または別邸として作るべきだったなというのが自分の中での結論になりつつある。

理由は同一の建物内に作ると建物内防音がしづらくなる。少しだけでも離して外壁と外気で区切ればそれだけでも建物内の防音は容易になる。
オーディオorシアタールームを別の建物にすると外壁が増えた分コスト増になる気もするが、連結させた上でしっかり建物内防音をしっかりしようとすると恐らく同じくらいのコストになると思われるので別棟を避けるのにコストを理由とするのは適切ではない。
それなのにあえて同一の建物に納める理由としてアクセスのしやすさがあるかもしれない。それは確実にあるのでアクセスのしやすさを重視するなら同一の建物とするのが最適と言える。
ただ自分の場合はただ同一にするのが当然という固定観念で同一建物内に作ってしまったというのが実態だろうと思う。

他の部屋で同一建物内に納めるメリットとして、同居人が室内のどこにいて何をやっていているのかをある程度把握できて、容易にコミュニケーションが取れることにある。
なので子供部屋やリビングを別棟にすることは良いとは思えない。

だがオーディオorシアタールームの場合、同一建物内に納めることが完全に裏目に出てしまう。
防音してしまうと同居人の動向が全く分からなくなってしまうし、防音するということはそういう外部の情報をシャットアウトしたいわけなので、上記の点では同一建物に納める意味がない。
防音室内で同居人の動向をこちらから把握することは難しいが、防音が中途半端な場合は音漏れで同居人を煩わせてしまうリスクがある。大音量の場合、防音をかなりしっかりやっても同一建物内に少しは聞こえる状態になるので防音性能に関係なく多少は同居人に影響を与えるものと考えておいた方が無難である。そういう意味でも同一建物に納めるのはデメリットである。
同一建物だとコミュニケーションを取りやすいのだが、結局映画見ているときor音楽聴いているときにあまり家族とコミュニケーションを取ろうと思わないし、不意に同居人が部屋に入ってくると煩わしいと感じてしまう。なのでコミュニケーションの取りやすさという意味で同一建物に納めるのは裏目に出てしまう。

そう考えると単身で戸建てに住むという状況でない限りは、同一敷地内の別棟や別の土地に別邸を作る方がオーディオorシアタールームとしては適性が高いと思われる。
オーディオorシアターの専用室を手に入れるには新築の際にしかチャンスがないと思っていたのだが、建物に比べて広めに土地があるようであれば後日に専用室としての別棟を作れるし、新築のタイミングと関係なく別の土地を買って別邸として専用室を作ることもできる。なので別に専用室のチャンスは新築時に限られたものと考えなくてもよいのではないのだろうか。
土地の広さが小さかったり日当たり悪かったりなど通常の住宅として不向きで安い土地を安く買って専用室を作れば、そっちの方が同一建物に専用室を作るよりもトータルで安くなる可能性もある。また同一建物内の電化製品のノイズも心配が少なくなる。
当然ながら地価は全国でかなり異なるのでこの提案が日本全国に通用するものではないが、居宅と同一建物内の専用室が唯一無二の正解ではないと思い始めている。

雑記

2021-06-13 20:30:35 | オーディオ
ローエンド界隈からオーディオを考えた時に今の若い人はスマホが音楽ソースになっている状況を考えたが、
スマホが音楽ソースだとスピーカーオーディオにハードルが多いんだろうなあと改めて思われる。
有線で接続すると操作するスマホとスピーカーが近接してしまうし取り回しが悪く勝手が悪い。当然ニアフィールドになる。
無線接続だとBluetoothレシーバー辺りが比較的一番手軽になるのだろうか。レシーバーが付いたコンポーネントも限られている。Airplayのようにホームネットワークを整備しつつ対応音響機材を用意し設定を正確にこなさなければならないものはなかなか難しい。オーディオファイルも割とこの辺りにハードル高く感じている人が多いのにローエンドの人がステップアップでここまでやらせるのは酷であろう。
結局スマホでイヤホンやスマホ内蔵スピーカーを使っていた人がステップアップでスピーカーを使おうとすると、以前のパッケージメディアと比較してオーディオ専用機導入のハードルがむしろ高くなった言えるのではないか。
スマートスピーカーは導入しやすいにしてもそれより先に行きづらくなっていると思われる。

真空で断熱と防音を達成するガラス窓

2021-06-10 21:00:20 | 注文住宅全般
プラズマディスプレイ製造技術から生まれた真空断熱窓。パナソニックとエクセルシャノン
https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/1318578.html

少し前のニュースだが割とエモい商品だったので記事にすることにした。
エクセルシャノンは樹脂サッシ専業メーカーで断熱性の高いガラス窓を販売している。
パナソニックが言わずと知れたAV機器を含め幅広い家電を販売する総合家電メーカーである。

その2つがコラボしてパナソニックのプラズマディスプレイの製造技術を使用して高真空の複層ガラスを製造し
それをトリプルガラスの1枚として使用し、高断熱と防音性を備えたガラス窓を実現したのが今回の製品とのことだ。

ガラス窓とはいえオーディオビジュアル好きとしてはかなりエモい仕様の窓になっている。
ほぼ高断熱住宅の壁と同レベル断熱性を薄いガラス窓で実現しているだけでなく、-35dBという遮音性の高さも壁と同等レベルで実現している。
そしてそれを実現している技術が高真空を作り出すことにより得られているというのが感心する。
音響関連で消音する際に理想的なソリューションは真空であろうと思われるが、その活用が困難であった。
防音のボトルネックとなる窓ガラスで真空を実現することで弱点を克服するというのはなかなかワクワクさせられる技術である。
そしてその高真空のために応用されているのがプラズマディスプレイの製造技術というのがときめきを感じる。
今でも我が家では現役で活躍しているプラズマテレビであるが、世からは続々と姿を消している。
プラズマディスプレイが転生した姿として高断熱窓ガラスがこれからも生き続けてくれるのは素敵なことだ。
真空は空気が漏洩したら性能が一気に落ちるので、長期的な性能維持に不安を感じてしまいがちだが、パナソニックのプラズマテレビの技術をそのまま使うことでそれを解消している。
窓ガラスの長期使用レポートがない時点でも世に大量に出ているプラズマテレビが長期利用できている実績があるので、信頼性をある程度期待できるというのもポイントが高い。

断熱や防音性の数値としてトップクラスであることは確かだが、
これが4枚や5枚の複層ガラスで達成したとしたら、それに大して興味は惹かれない。
パナソニックのプラズマテレビの製造技術で高真空を実現して高断熱高遮音を実現しているからこそ興味深いのである。
やっぱりコンシューマー製品はただ高性能だけでなく心惹かれるテクノロジーや素材を利用しているというポイントも欲しい欲しくないの判断に大事な要素なんだなと改めて思わせる。

ローエンドからオーディオ市場の30年を見てみる

2021-06-08 22:38:27 | オーディオ
ミニコンポも今は昔、オンキヨーが事業を売却 もはやサブスク時代に抗えず......
https://www.j-cast.com/kaisha/2021/06/08413227.html

この記事を読んで、大して目新しい内容があるわけではなかったが、確かに「質は問わないけれども好きな楽曲を聴きたい」というローエンド需要に対する供給側の変化はここ数年で急激に変化していることを実感し、ここ30年程度を俯瞰してみる。

CDが広く普及する1990年より前はローエンドではLPもしくはアナログカセットテープがメインであったはずであり、
LPを再生するためのそれなりに大仰な機器を使うか、カセットテープを再生するかになる。
LPの再生はLP自体が大きいので、質を重視しないとしてもそれなりに大きな据え置きの再生用音響機器を買わなければならない。そして再生機器の質が音質に直結しやすかった。
カセットテープを再生するラジカセにしても、やはり再生用の音響機器を買わないと聴けない。カセットテープで音源が収録されて販売されるケースが多いわけではなかったので、好きな楽曲を聴こうとするとラジオなどの録音も必要だった。
なので音楽を聴く習慣がある人にとって、音響専用機器を購入することは当然であった。

1990年以降にCDが広く普及していき、ローエンドでもCD再生が始まっていく。
CDを再生するにはローエンドであればCDラジカセ、CDウォークマン、CD再生可能なミニコンポなどであり、LPと比較すると好きな楽曲を聴くための手段は広くなり、大仰な機器の購入を回避する選択肢もできるようになってくる。質に関してもLPやカセットテープよりは最低限の品質の音を出しやすくなっている。
いずれにしろ音楽を聴く習慣を持っている場合音響専用機器を購入することは必要であり、CDウォークマンはバッテリーの持ちが悪かったり再生が止まりやすかったりで主役とまではいかず据え置きの方が主役であることは間違いなかったように感じる。

2000年の少し前にはMDが登場し、世界的には流行らなかったが国内のローエンドではかなりの存在感だった。
バッテリーもこなれてきておりポータブルで聴く実用性がかなり高くなっていた。
MP3プレーヤーなども出始めており、PCにリッピングしてライブラリ構築なども始める人も出ていたが、PCの普及率も低くローエンド界隈には普及するような時期ではなかった。
MDを使うにしても据え置きの音響専用機器で録音が必要なためそういった機器を購入するのは一般的であった。

2004年のiPodminiくらいからiPodが本格的に普及し始める。インターネット回線もADSLなどで高速回線が安価になり、PCで音楽ライブラリを構築する人も増えてはきていた。
ただローエンドで言えば、iPodやPCオーディオはPCが基本的には必要であり、個人用のPCがない場合は活用できなかった。
当然ながらローエンドのミニコンポよりもPCは高価であり、PCを所有していないローエンド界隈にとってはCDの再生機器は選ばれる需要が存在していた。
この頃の携帯電話での音楽鑑賞は着うたや着うたフルなどで楽しむ層がそれなりにいてローエンド界隈ではそれなりに存在感を示し始めていたが、音楽再生としては不便さはあった。

2010年あたりからiPhoneがこなれてきてAndroidスマホも出現する。
その辺りになると携帯電話で音楽を必要十分に鑑賞することもかなりできるようになっている。
ポータブル音楽プレーヤーのフル機能が携帯電話に内包された時代が明確に始まる。
この辺りで音響専用機器の需要が小さくなっていることがはっきりしてくる。
とは言えスマートフォンは機械に強いアーリーアダプターでないと選ばないし使いこなせない時期であった。
楽曲もまだ国内では豊富にはオンライン販売されておらず、PCから転送が必要であった。
ローエンド界隈で音響専用機器を買うことも減ってはきていたが確固たる代替手段が整った状態でもなかったように思える。

2015年くらいになるとスマートフォンが携帯電話の大半を占めるようになり、楽曲のオンライン販売もかなり網羅することになった。
定額聴き放題のサブスクリプションも普及を始める。
ライブの販促目的に動画サイトに公式からフルのPVがアップロードされるようにもなっていく。
こうなるとローエンド界隈が好きな楽曲を聴きたいときには持っている携帯電話(スマホ)でyoutubeから探すなり楽曲ストアからダウンロードするなりサブスクリプションで聴くなりの手段を取ることになる。
ローエンドとは言え今は楽曲のビットレートもそれなりの帯域が確保されており、デジタルなので品質の優劣が感じにくい。イヤホンも安価でそれなりの音質を出すには効率の良い媒体である。
ここにきてローエンドオーディオは音響専用機器を買うことなくそれなりの品質で好きな楽曲を聴ける時代が到来する。
この現代になって据え置きでCDを聴くのはオーディオマニアか、新世代の媒体を理解できない時代に取り残された人か、過去の音源資産が多すぎて乗り換えできずに立ち止まった人たちだけである。

という成り行きで音響専用機器メーカーが「一般人が使う物を作る企業」から「一部の人が使う物を作る企業」になってしまったわけである。
まだイヤホンやヘッドホンは「一般人が買う物」であり、それを作っているメーカーはそれなりの地位を維持できているのはそこにあるかもかもしれない。

ローエンドオーディオの流れとしては、アナログ据え置き専用機器主流の時代から、最低限の品質確保が容易なデジタルの時代になり、さらにポータブルがしやすい時代になり、最終的にはポータブルな汎用機器で十分な時代になった。
かつて大衆向けの音響機器を製造していたメーカーは
・規模を縮小して高級機路線で細々と生き残る
・縮小しつづける据え置きミドルレンジとローエンド帯を続けながら利益を出していく(実際はこれを選択したが採算を取ることは困難だったようだ)
・ポータブル機器に注力する
・業態変更し多角化もしくは撤退
これらの選択をしなければ今日まで生き残れないし、今後も生き残れそうにないということは歴史が証明してしまっている。
オンキヨーのオーディオ部門は高級路線を開拓することもなく、ポータブルに本気を出している感じもなく、普通の価格のミニコンやローエンド〜ミドルレンジのコンポーネント機器を出し続けたように感じる。
もちろんオーディオファンにとっては良心的な価格で入門機の選択肢を提示し、趣味としての裾野の大事な部分を作っていた功績は大きい。
だが今回まとめた時流というものを考えると売れずに存続の危機に陥るのは必然であったように感じた次第である。

老化と感受性

2021-06-03 18:39:58 | オーディオ
以前に比べると音楽鑑賞の際に音源であったり音響機器であったりに大して心が動かされることが少なくなった気がする。

年齢とともに聴力が落ちてくることは周知の事実ではあるが、それ自体よりも老化によって感受性が落ちてきている方がオーディオ(というか趣味)にとって中々無視できない要素であるように感じる。

感受性が低下すると、面白いと思いづらくなり、オーディオつまらないからほかのことやろうとなるのも良いことではあるのだが、他の事も面白くないと感じてしまうのでどうにもならない。

今自分は30代後半だが今後この傾向が加速すると、心に響く体験をしたいが為にオーディオであれ他のものであれチャレンジしても期待ほどの面白さが得られなくなってきてしまうことが予想される。
そうなってくると投資に見合う満足感という意味では満足感の減少によってコスパが悪くなるし、他の趣味をやるにしても心に響きにくくなるので、他の趣味にハマるということも期待できなくなってくる。

そして自分の感受性に自信がなくなってくるので、この機材は感動できる音になるかというのが不安になり、より客観性を重んじるようになってきているのかもしれない。
なかなか寂しい話ではあるが若いときと同じ感性とはいかないことを念頭に趣味と付き合っていかないと、起こりえない成果を求めて入れ込むことになりかねない。

オーディオ業界に関する雑感

2021-05-25 23:03:46 | オーディオ
もがくオーディオメーカー コンシューマーオーディオはどこへ行くのか? ゼンハイザー、オンキヨーの身売りで考える

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2105/25/news105.html


こんな記事をみかけた。割とここ最近の成功者と思えるゼンハイザーと凋落著しいオンキヨーが共にコンシューマーオーディオを今年売却している。
少し前にはこれまた最近の成功者であったOPPOが高価格帯の覇権を握ったと思った矢先にブルーレイプレーヤーから撤退したということもある。
パイオニアはコンシューマーAVをオンキヨーに売却している。
コンシューマーオーディオは大量絶滅時代に入ったと言ってもいいだろう。

原因やこうすれば良かったというのは総括されているが、
その一つとしてIT化の遅れが記載されている。
スマートスピーカーやワイヤレスイヤホンなどのIT化したオーディオ機器が今売れており、今売れる物を先行して作れなかったからと言われている。
確かにこれは一理ある。それなりの規模を持つオーディオメーカーはそれなりの数を売らないと規模を維持できない。
数を売ろうとすれば売れるジャンルで一定の地位を確立することが必須となる。
ただオーディオメーカーにそれが実現できたかというと疑問は残る。

スマートスピーカーは基本的には音声認識システムとオンラインのネットワークサービスと紐付けされて機能するものである。
スマホOSのGoogleやAppleやネットショッピングやサブスクリプションサービスのamazon、SNSのLINEなどプラットフォーマー主導がほぼ前提となる製品である。オーディオメーカーが頑張れば主役になれたかというと無理だと思う。
BOSEがアレクサ対応のスマートスピーカーを作ったりなどオーディオメーカーも参加していないわけでもないが、スマートスピーカーは紐付けされている有料サービスに誘導する役割があり、スマートスピーカーの販売自体に粗利を追求する必要がない。
なのでプラットフォーマーが販売するスマートスピーカーは比較的割安のものが多く、プラットフォームを自前で持っていないオーディオメーカーが太刀打ちして数を捌くというのは無理があるように思える。

ワイヤレスイヤホンはBluetooth部分とバッテリー部分をどうにかすれば、後は従来イヤホンと同じ構造が多い。
なのでオーディオメーカーが現在でもそれなりの数の企業が商品を出していて一定の存在感もある。
ここをオーディオメーカーが市場を早期に開拓してシェアの多くを確保していればオーディオ業界も少しは違ったのではないかということになる。
この仮定はスマートスピーカー程ではないにしろやはり無理だったのではないかと思えてしまう。
理由がいくつかあるが、まず何よりワイヤレスイヤホンの前に有線のイヤホンやヘッドホンなどパーソナルのオーディオシステムのブームがあったが、それに注力したわけでもないのにワイヤレスのブームに先行出来るはずがないということがある。
一応オーディオコンポーネントを作っているメーカーも有線のポータブルオーディオブームの際に新たにイヤホンやヘッドホンを作ったりして参入していた(DenonやB&Wなど)。だが時期も遅く本気度も強くは感じられなかった。
それに彼らがホームオーディオのコンポーネントで一定の盤石な地位を確立しているのと同じように、ポータブルのシステムにも独自のノウハウや信頼感の蓄積が必要であり、元々ポータブルをやっていた企業を下剋上するようなことは容易ではなかったようである。
だからこそオンキヨーやパイオニアなどが生き残るためにITオーディオ機器、ワイヤレスイヤホンなどに力を入れて生き残るべきだったというなら、そもそも10年以上前にオーディオテクニカ、ゼンハイザー、ソニーなどを駆逐せんばかりの全力でイヤホンやヘッドホンのシェアを築くべきだったということになるが、それが正解かというと現在の視点から見ても当時の視点から見ても正解とはいいきれない。
結局のところ有線イヤホンヘッドホンブームの時も今のワイヤレスイヤホンブームも市場としてそんなに大きなものではない。老舗オーディオメーカーと言いつつも大してノウハウのない分野である上に、果敢にリスクを取って大胆に進出してもリターンは大して多くない。有線イヤホンヘッドホンブームでのブランドイメージ最上級であったゼンハイザーが事業譲渡している時点で否定しがたい事実である。

そしてもう一つ言えることはBluetooth部分のノウハウが特殊という点がある。例えばオーディオテクニカはワイヤレスイヤホンを開発していたが、2018年に発売予定のワイヤレスイヤホンが通信部分の性能不足で発売中止になったり、その後発売したモデルも今年に充電の発煙発火リスクありとのことで商品の無償交換を発表したりしている。
それ故に各企業が現在はワイヤレスイヤホンを発売しているものの、無線や充電の部分を自前で一から作れてその出来が優れているという製品はおそらく従来メーカーからは全く出せていないと思われる。無線や充電などは他社から調達したものであれば最終的な製品としての差別化が難しく、通信の品質や使い勝手や安定性などは一から全てを作っているようなメーカーに比べると劣ってしまう。
なので従来オーディオメーカーが作るワイヤレスイヤホンは割高な価格で、通信や充電などが安定しなかったり、規格が古かったりする。でもアナログ部分の音が良い(らしい)というなんとも微妙な製品になる。それでは市場を制覇はできない。
従来メーカーがワイヤレスイヤホンで新興メーカーにシェアを譲らず大手として売れるポジションを維持しようと思ったら、無線機器を幅広く作れるようなくらい注力し、ノウハウを積み上げておかねばならなかった。つまりは実質的にはPCやスマホ関連機器の製造に業態を拡大せねばできない話であったと言える。

そして今後の生き延びる道としてOEMとして裏方で音響パーツを作っていくことが提案されている。
ただこれは既に出来上がっている市場であり、今後伸びるというものではない気がする。
OEMの仕事は昔からずっとある中で、それをやっているだけでは乗り切ることができないからこそ今の大量絶滅時代が存在しているのである。
苦境に陥ったオーディオメーカーがこれからはOEMに全力でいくと決めたところで苦境を乗り切ることが出来るというわけではないのではないか。

これまでネガティブな私見ばかり書いていたが、ポジティブな私見もある。
「子どものころ、「ステレオ」が家になかったという20代〜30代は多い。多感な青少年期にいい音を聴いて感動した経験がないのに、大人になったからといってオーディオに金を出すようにはならないだろう。」

というくだりがあるが、今のオーディオやっている世代は必ずしもこういうものではない。
そもそも青少年期に家庭に高音質環境が整備されていて労せずハイファイが聴けた人が、大人になった時にいい音の為なら金を惜しまないというような音質への上昇志向があるかというと逆に疑問に思える。
自分のように低価格のイヤホンとネット情報から「音響機器を替えることによる違いの認識とその楽しさの目覚め」を覚える人は多いはずだし、イヤホンを上位機種に買い換えるだけでなく、ヘッドホンなどステップアップしていけば、その先にはスピーカーとオーディオコンポーネントにたどり着くことも珍しくないはずだ。青少年期に家にステレオあるかどうかは重要ではないというのが私見である。

純粋な音楽であれ、動画の音声であれ、再生音声を聴くという行動を大半の人は行っている以上、その品質を追求する人は出現し続けるはずである。世代が今後交代しようとオーディオファンは少ないとしても生まれ続けると思われる。
ただ趣味としてのステップアップが他の趣味と比べて現在はかなりクソと言わざるを得ない。
他の趣味として腕時計を追求する趣味とカメラ機材を追求する趣味がある。
趣味性の高い高級腕時計は別に時計としての性能が至上という訳ではない。性能を求めるなら水晶発振器と電波補正がある安価な時計で十分だ。
歯車で正確な日時を時を刻むというアナログな技術の精緻に憧れたり、高級感のあるデザインに惹かれたりと、性能よりもロマン重視の部分が多い。
対してカメラ趣味は本体にしろレンズにしろ周辺機器にしろ倍率であったり解像度であったり、数字の良さ性能の良さこそが製品の価値であり、高い性能を出せる機材にこそ憧れを抱くものである。

だがオーディオ機器はロマンと性能どちらに力を注いでいるのか現在は非常に不明瞭な商売形態になっている。
多くの機器は性能を良くすることにも力は入れているものの、ロマン性を持たせることもそれなりに努力している。
どっちにどれくらいの割合で注力した製品を作ったのかは明かさぬまま、ただ素晴らしい製品だと喧伝する。こういう所がはっきり言ってクソである。
別に腕時計のようにロマン性を高めて付加価値を付けることがあってもいい。腕時計に許されてオーディオ機器に許されないはずがない。
ただ高級腕時計は電波時計よりも正確などと宣伝はしない。だがオーディオは価格が高ければ高いほど正確なものだと平気で宣伝する。
そういう悪習がステップアップを挫折させ先を細らせる原因になっていると自分の中では思っている次第である。

Apple Musicがロスレス、ハイレゾ、アトモス対応に

2021-05-18 06:34:28 | オーディオ
Appleのストリーミング音楽サービスがロスレス(44.1kHz/16bit)、ハイレゾ(192kHz/24bitまで)、Dolby Atmosの空間オーディオに対応したようだ。
ハイレゾのオプションプランなどはなく個人で月額税込980円で利用できる。

正直なところ他のストリーミングサービスでもロスレス、ハイレゾサービスが始まっており後追いでしかないのかもしれない。
ただ十数年前はAirplayでネットワークオーディオをやっていたこともある身からすると気になる存在である。

対応機器はオーディオ的にはそれほど充実しておらず、ガチのオーディオに組み込もうとするとASIOなどが標準ではないので今更ながらビットパーフェクトを担保できる環境を選定しないといけない。
ただAV機器でAirplay対応のものは多くあり、今後Apple Music対応してくれる機器が増えてくれる可能性がある。

音楽配信としては古参であり配信曲数は多いのかもしれない。それらがCD音質で聴けそうだというのは十分なメリットかもしれない。

ハイレゾ音源の数は今後を見ないとなんとも言えないが、サービスの方向的には多量に揃えることを期待しない方が良いのかもしれない。

Dolby Atmos音源は数は多くないかもしれないがほぼ配信でしか体験できない音源なので興味深い。

そして追加料金なくこれらが利用できるのは目を引くものである。個人で980円/月は割と安い。
ここは大きな魅力になってくる。
Amazon Music HDは個人で1980円だし、mora qualitasは2178円である。(すべて2021年5月現在)
この価格差はハイレゾ音源プランが別枠扱いで設定される傾向から生じているものである。
今後その価格差が埋まってくるのかもしれないと考えると、他のサービスの動向も期待できる。(追記:海外ではAmazon Music HDのプランが緊急値下げされたようだ。)

ストリーミングは結局のところ、知らない音源を発掘したりハイレゾ音源の録音の品質を確認したりして、気に入れば購入してオフライン化するので、
個人的には維持費が安いこと、使いやすいこと、音源が豊富であることが重要になってくる。
Apple Musicは現時点では確定的ではないものの、それを満たす可能性があり、今後に期待できるものと思っている。