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贅沢なSF密室劇!「ドクター・フー:ワイルド・ブルー・ヨンダー」

2023-12-04 | TV/その他

「ドクター・フー」60周年を記念するスペシャル第二弾「ドクター・フー:ワイルド・ブルー・ヨンダー」
タイトルを訳すと「紺碧の彼方」、しかし劇中に説明されるようにアメリカ空軍の軍歌「空のかなたへ」のタイトルでもあります。
なんでこの曲を使ったのかな… まだその理由の考察は見かけていないのですが…

前回の「スター・ビースト」で、ドナがコンソールにコーヒーをぶっかけてしまい(!)
制御不能となったターディスがドクターとドナを未知の場所へと連れて行きます。

 

前回のあらすじと感想はこちらから↓↓↓

 

懐かしきドクターとコンパニオンとの再会!「ドクター・フー:スター・ビースト」 - だから、ここに来た!

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↓↓↓今回のあらすじ↓↓↓

ドクターとドナは暴走したターディスによって、巨大な宇宙船内に到着する。
ソニックスクリュードライバーを扉の鍵穴に差し込み、ターディスの修理を試みるドクターだったが、
HADS(敵対行為変位システム)のため、ターディスは2人を置いて飛び去ってしまう。
生命体の気配のない宇宙船、通路に置かれた古びた一体のロボット、定期的に宇宙船内に響き渡る言葉…
不安を募らせるドナを励ましながら、ドクターはドナと協力して休眠状態の宇宙船をアクティブな状態に戻そうとする。
しかし、別の部屋で作業していたドクターの前に現れたドナはどこか不自然で…

↑ドクターの今回のスチール、どれもカッコ良すぎる。モデルかっ!

 

↓↓↓以下、ネタバレ含む感想↓↓↓

前半は、宇宙船内と同じく、ずいぶんスローテンポだなと思っていましたが、
後半になるにつれ、宇宙船の謎が明らかになり、一気にドクター・フーらしい展開になって満足しました。
宇宙船の大きさが、ディズニーの製作費のデカさを感じさせます。
船内を移動するカートに乗る時に、「サンダーバード」のレディ・ペネロープとパーカーのやり取りを真似しててちょっと嬉しかったり。

宇宙船でたどり着く途中に出会ったアイザック・ニュートンがいい男だとドクターが認めるシーンがありますが、
14代目はゲイかバイ、もしくはキャプテン・ジャックのようにパンセクシャルになったのかな。
前回のノンバイナリーに引き続き、ドクターのセクシャリティも流動的になっているのかも?
一部の視聴者にwokeだwokeだと揶揄されたりしていますが、
ファンの間ではかつてアンドリュー・ガーフィールド演じるフランクにも「(再会が嬉しかったら)後でキスしていいよ」と言ってたことがあったよね?
などと、ドナが言ってたように、ドクターのセクシュアリティの揺らぎは今に始まったことではないと言及する人も。

そしてニュートンがドクターたちと出会ったために、重力(gravity)が集力(mavity)に変わってしまったのが気になる… あとで回収されるかな??

 

ターディスに置いていかれて、広大な宇宙船の中でとり残されたドクターとドナ。
口喧嘩しながらも、動揺するドナの手に口付けて元気付けるドクターの優しさにジーンとします。

HADSは2代目ドクターの時代に初出のシステムで、
最近では11代目の「冷戦」(マークの脚本回だ!さすが!)で引用されてます。

密室でドクターとドナ(つまりデヴィッドとキャサリン)しか出てこないのって逆に贅沢!
1時間、2人の演技をたっぷり見られるのは嬉しいですね。
しかも敵は、相手をコピーする未知の生命体! 敵も味方もデヴィッドとキャサリン!
1話で2人の、2種類の演技を堪能できるなんて最高。
(吹き替えだとさらに4倍楽しめることに!)

ちなみに、吹き替えでロボットを見に行きたいドクターが
ドナに「帰りを待ってる家族がいるんですけど!」と反対されて
ドクター「うぅんぃ〜?」
ドナ  「はぁー、わかった!」
ドクター「いぇーい!」 ってところが可愛かった。

しかし、完全にコピーしきれていない敵(英語字幕だと"not-things"と書かれている)が
巨大化したり腕や顎だけ伸びたり、普通にキモい!(笑)
でもこれって昨今のAI技術のメタファーのような気もしますね。
コピー元を真似することでどんどん正確になっていく。
最近現実でも映画の中でもAIネタばかりで食傷気味になっていましたが、
AIという言葉を出さなくても、それをモチーフにして物語を作れるんだよな。

巨大な手を操作するデヴィッド↓↓↓

ドナがドクターはガリフレイ出身ではないということに言及したり、
ドナと離れている間、ドクターが宇宙の半分を崩壊させたと話すシーンがありましたが、
これは前シリーズ(FLUX)の設定を引き継いだもの。

前回も書いたように、私は13代目ドクター=クリス・チブナル期を視聴したのは途中までなので、
その設定はいまだにほんのりとしか知りません。
(当時かなり厳しい意見が飛び交っていたので、怖くて見れていない… 臆病でごめん)
それでもなんとなくFLUXの内容なんだろうなと察しながら鑑賞してました。

偽ドナに寄り添う言葉を掛けられ、一度は心を開き掛け抱きつこうとするドクターの前で偽ドナが崩れ落ち、
逃げ込んだ通路の中で当たり散らすドクター。胸が痛い…

どれが本当のドクターで本当のドナなのか??
最後まで分からない緊張感と同時に、宇宙船の謎もだんだんと解き明かされていくのが、スリリングで面白い回でした!
こういう話を見るのがドクター・フーを見る醍醐味だよなぁ!
前回が7/10点なら、今回は8.5/10点かな。

そして最後のバーナード・クリビンス演じるドナのおじいちゃん、ウィルフレッドとの感動の再会!
みんなドクターとウィルフの再会を待ちに待っていましたよね!
実は私は今回のスペシャルの撮影場所のスクープ画像で出演することは知っていたので、
驚きはしなかったのですが、やっぱり彼らの再会はとても嬉しかった!

バーナードは亡くなる前にこの場面はなんとか撮影できたそうで、やはりこのシーンが遺作となるようです
個人的にはピーター・セラーズの「泥棒株式会社」や「フォルティ・タワーズ」のゲスト出演も印象に残っています。

RIP Bernard...

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the Guardian

 

 


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