家の中の物には定位置を与えないといけない。
しかし新参者の「カメラ」と「ウイッグ」にはまだ定位置を与えていなかった。
家に来てもう1カ月以上たったのだからそろそろ定位置を確保してやらなければ・・・。
だが、どこもここも古参のものが占拠していて隙間が無い。
思案して見つけた空間に、この箱が置かれていた。
娘が小学生の時に彫刻刀で削って作ったオルゴール。
何が彫られているのか?向きはどっち向きに見ればよいのか?くるくる回してみるがすぐには分からなかった。
おそらくこの向きに見ればよいのだろう?朝顔を彫っているのか?いや、どうも瓢箪のようだ。
どんな曲が入っているのだろう。ねじを回すと「ぽろろ~ん」と鳴った。
もう少し強くねじを巻いたら曲が流れた。
♪海よりもー美しい愛があるのをー教えてくれたのはあなたー♪
「ある愛の詩」のメロディーだった。
小学生の娘からの未来に対するメッセージのような気がして少し感傷的になりながらオルゴールを聴いた。
(※このオルゴールは娘の部屋に置いてもらうことにし、そこにウイッグを置くことにした。新しく買ったカメラの定位置はまだ決まらない。先輩カメラも魅力があって引退させるにはまだ早く、そう簡単には席を空けられない)