この時期、高校生が卒業を間近に控え、うちの近くの自動車教習所に運転免許を取りに来る。
そして毎年、決まって我が家の近くに来て、たばこを吸う子がいる。
それを見つけて何度か注意をして来た。
しかし、今年はそういう子がいない。
「今年はたばこを吸う子がいないね」と夫に話していた矢先、二人の男の子が家の前の道に座ってたばこを吸い始めた。
私の『おせっかいオバサン』の血がメラメラ燃えて、その場に行って声をかけた。
「今、たばこを吸ってたね。まだ二十歳になっていないようにみえるけど・・・」
二人の男の子は素直に「はい」と言った。
そこで私はたばこの害についていろいろ話をした。
色々な癌の確率が高い事。女の子にも嫌がられることが多い事。父親になった時、子どもがその害を受けることがあること、年をとって吸い始めた人より10代で吸い始めた人の方が肺がんなどの確率が高いことなども話をした。
二人は私の顔をまっすぐ見て、素直にその話を聞いてくれた。
「もう中毒のようになってるの?」と尋ねると「いいえ」と言う。
「たばこ、やめられそう?」と訊くと「できそうです」ときっぱり答えた。
「二人ともとても良い顔しているよ。たばこをやめて健康で素敵な人生を歩いて行ってほしい」と言うと
「どうもありがとうございました」と二人は頭を下げてくれた。
おせっかいオバサンの話を素直に聞いてお礼を言ってくれた二人。
タバコを止めることができるかどうかは分からないが、私の話を心に留め、やめる努力をこの二人はするのではないかと感じた。
おせっかい、焼いてよかった。こういう触れ合いができ、清々しい余韻が残った。