ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

第11話  ヨガ・アシュラム・・・9    遊行という死への旅   

2015-09-29 | 第11話  ヨガ・アシュラム

 ヒンズー教では人生に4つの期があると考えられている。
人は生まれ成長しながら学ぶ期があり、
それがすむと一生懸命に働き妻をめとり家住期に入る。
夫婦は子供を生み育てる。その子供が成長し家住期に入る頃には
自分の両親がしたと同じように家を息子に託すと隠棲し修行を行う林棲期を迎える。
そして最後の遊行期に入るとガンガへの旅に出なければならない。
新しい生命の誕生により生命のサイクルは不可欠となり老いた親は遊行という死への旅立ちが始まる。
  インド人の輪廻
貧しい家では老いた両親を養っていく余裕はない。
そのようにして代々生きてきた、いずれ自分も遊行にでることを知っている。
聖地に無事たどり着くとダラムシャーラに入り物乞いをしながら死期を待つ。
以前ぼくは楢山節考という映画を見た。
貧しい農家は食いぶちを減らすため老いた親を背かごに乗せて険しい山へ運んだ。
その山は姥捨て山と呼ばれた。
この2つの場景は何故だか重なっているようにぼくには思える。
異なっているのは死後ガンジス河に流されると輪廻し
幸せな来世に生まれるというヒンズー教の教えによってインド人は救われる。


 Photo by M.Sakai

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