ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

第9話   ぼくはカメラマン?・・・2   ババ達の相談

2015-10-16 | 第9話 ぼくはカメラマン


サフラン・ババ 最上段 彼の寝床 

「ジャパニーババお前は日本人だろう、だったらカメラを持っているな」
といきなりわけの分からないことをサフランババが言いだした。どうしたんだ、このババは何が言いたいのか
「俺は日本人だ、それがどうした。俺に何の用があるんだ?」
ぼくはズーム付きのバカチョン・カメラと数本のカラー・フィルムを日本から持ってきていた。が寺院や風景を撮る趣味は持っていない、カメラはバックパックの中に放り込んだままだ。
「カメラがどうした」
「写真を撮ってくれ、頼む」
ぼくに皆の写真を撮らせようと相談をしていたのか、やっとこの雰囲気の意味がつかめた。
「だめだ、カラー写真1枚で2ルピーもするんだぞ、だめだ」
「そう言うな、皆が写真を欲しがっている。撮ってくれ」
「ババ~お前2ルピーが払えるのか?」
「金はない、そこのところを何とかしてくれ、頼む」
こんな問答をいつまでやっても埒があかない、と周りを見るとババ達の視線がぼくに向けられていた。ババ達は真剣な顔をしてジャパニーババ、ジャパニーババと情けなくも追いすがるような声をだしやがる。何なんだ、たかが写真1枚じゃないか、いくらぼくでもここまで言われたら断わる事は出来ない。
「分かった、撮ってやる」
と約束してしまった。だが相手はババといえども海千山千のインド人だ、ぼくがちよっとでも甘い顔をすると痛い目に会う。
「いいか、1人2枚だ。顔のアップと全身の2枚だけだ、分かったか」
「アッチャー」(分かった)だがこのアッチャーをどのように理解して言っているのだろうか、ぼくに不安が残った。
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3 コメント

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読者登録ありがとうございました (fool1934725)
2015-10-17 13:39:46
読者登録ありがとうございました。私も1996年インドを訪れました。その時一生忘れられないことに出会いました。
2006年6月20日に「世界の子供たち」インド1と題してブログに書いています。お読みいただければ幸いです。
 貴殿のブログも少しずつ読ませていただきます。今後ともよろしく。
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ありがとうございます (tomy)
2015-10-17 14:24:21
fool さんのブログ 一部拝見しました
膨大な作品 楽しみにしています
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ありがとうございました (fool1934725)
2015-10-18 16:27:54
お読みいただきたいへんありがとうございました
返信する

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