ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・84

2014-09-29 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

 エマが戻って来た。パケを没収された事やヘビ目との会話のすべてを彼に話した。
「ちょっと待て」
そう言って彼は出て行った。何か打つ手があるのだろうか。13日の金曜日が1日ずれただけだ。どうすれば良いのか、フィリップスが言った通りぼくはマークされていたのだ。何も今、効かないスタッフを入れる必要はなかったのに。チャーリー、アロエ、キシトー、フィリップス、名前は幾らでもあるけど。終わりか、刑務所内での再逮捕はたとえ小パケ1個でも最初の逮捕に匹敵する。運が尽きてしまったのか、この件で刑が加算されれば10年は免れないだろう。2度目の首吊りになるかもしれない。寝床で腹這いになってこのノートを書いているが周りが恐くて何処も見ることができない。やけに喉が渇く。
 やっとエマを見つけたらのんびりテレビを見てやがる、ふざけるな、どうにもならなかったのだろうか。ヘビ目が名前を知りたがっていたという事は、明日ぼくを何処かへ連れて行って厳しく追及するのか?まいったな~。エマが戻って来た。
「何とかしてくれエマ、頼む」
「そんなに心配するな、待っていろ」
エマの動きをぼくは目で追った。ジャクソンと話をしている。ジャクソンがぼくの所に来た。
「心配するな、俺が話をつけてやる」
「ノープロブレム」
そう言ってくれた。本当に大丈夫だろうか、ぼくは横になって最悪のシナリオを思い描いていた。ジャクソンがぼくを呼んだ。
「大丈夫だ、もう心配するな」
「友達じゃないか、俺が約束したんだから」これからスタッフをやる時はトイレ等でやれよと言った。エマもジャクソンもぼくの為に出来だけのことはやってくれた。明日もしぼくが捕まったらそれはそれでしょうがない。ディクソンではなくエマに話して良かった。ここ数日エマと親しくしていたので親切にしてくれた。ぼくとエマの前の通路を歩いていたヘビ目にエマは怒った顔で一言いった。助かるかもしれない。ジャクソンが約束を守ってくれたら、ぼくは助かる。


二日間 歯茎の炎症で発熱し何もできなかった 今朝 少し寝汗をかいていたが熱が下がった
右下奥歯は噛むとまだ痛みがある 歯科医へ行くことも考えたが数日様子をみる
炎症が治まれば歯と歯茎は安定するだろう そう願いたいものだ
コメント
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