「企業に対する市場の影響力やモニタリング(監視)機能が強まる中、企業がより透明度の高い情報開示と株主重視の経営を要求されるようになった」これは、「通商白書」の2003年版である。
ここでいう「株主」とはいったいだれのことか?答えは白書の中にある。「外国人投資家や機関投資家に代表される株主が、寄り厳しく企業の利益や業績、経営の透明性のチェックを要求する動きが、一部で見られる」と白書は書いている。
キャノンの外国人持ち株比率は、現在44%。外国人投資家と企業経営の関係について同社の担当者は、外国人投資家が一番関心のあることは、資本効率をあげるためにはどうするのかということで、将来の投資に備えて、ある程度手元資金をもっている必要性があると思うのだがそういう考えがなかなか通じないという。外国人投資家は「短期的なファイナンス論理をベースに説明を求めてくるパターンが多い」(東京証券取引所グループ発行:「エクスチェンジ。スクエア2004年4月号)とも説明する。いかに短期的に利益をあげるかである。
イギリス出身の実業家を経営トップにおくソニー。外国人持ち株比率が5割を越えたのは2005年のこと。「大幅なコスト削減、業務の合理化、人員削減、商品カテゴリー数の削減などの構造改革を実行し業績を大幅に改善させました」と、昨年の年次報告書で人員削減が業績を「改善」させたことを自慢するストリンガー最高経営責任者である。株主重視の経営とは、従業員を犠牲にすることとまさに表裏一体なのである。
ソニーは、国内外で1万6千人以上の人員削減を進めながら、09年3月期は、一株当たりの年間配当を42円50銭にする計画。昨年同時期と比べると7円50銭の増加である。そして、その半分は海外に流出する仕組みができあがっている。
上場企業で外国人投資家の保有比率が二ケタに達したのは95年度。2007年度には、27.6%に達している。大企業がいっそうの短期的利益追求型経営に走る原因がここにある。〈続く 次回はマネー経済のもとで…〉
※参考:しんぶん赤旗
真実一路くんより→
外国人投資家の大半が、ヘッジファンドールールある経済社会めざし3
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