長い付き合いの友達から
「スタジオが完成した」との連絡。
早速、サックス持って遊びに行きました。
この友達、会社関係以外で私が知る起業家の一人。
会社を立ち上げ、地道にコツコツやりながら成功した人です。
若くして起業した後、何度か襲った経営難を歯を食いしばって耐えた人です。
決してリーダーシップをとろうという人ではなく、
情熱をそっと心に秘めてコツコツと努力する人です。
今はヨットも持ち、都内に地下室付の戸建も持った憧れの生活を手にした人。
サラリーマンという安定人生を選択した私は、彼が経営難に陥っているときも
ちゃんと給料もボーナスももらってきました。
いちかばちかで頑張った彼は、今は最高の人生を手に入れました。
ハイリスクハイリターンを取れるかどうか、10年くらい前にそれぞれの道を
選択した私と彼は、今、全く違った人生を送っています。
高台にある素晴らしい自宅の深い地下室への階段を降りると、大きなスタジオ!
出迎えくれたのは彼のバンド仲間のJ君。プロのドラマーを目指している20歳。
広いスタジオは、コンクリート打ちっぱなしの地下室の中につくられた二重構造。
これぞ本物のスタジオ。壁は防音処理が施され、更にその上には珪藻土の処理。
「オーダーメイドだと施工費かなりとられたでしょう?」と聞くと、
「全部俺の手づくりなんだ・・・」に仰天・・・唖然・・・
なんとデザインも全て一人で手がけ、コツコツと仕事の合間に創り上げたとのこと。
手づくりが好きとはいえ・・・珪藻土の塗りなんか職人の仕上げにしか見えない。
天井も床も壁も配線も全部手づくりなんて・・・信じられない!!!
驚きから我に返って壁にかかっているギターの数にまた驚かされます。
コレクションのほんの一部とのこと。
その殆どが、ギブソン、フェンダー・・・74年のストラトまで・・・
デジタル機器好きの私にとって垂涎ものの機材が所狭しと並んでいます。
久々にJ君のドラムの滑らかなリズムにのってサックスを吹きました。
もう一つの驚きが、ミニシアターまでつくっていたこと。夢のような空間です。
「そのアルテックのスピーカー、俺が初めて買ったスピーカーなんだ・・・
まだお金がなくて苦しいときに友達から分割払いで買ったんだよ」
彼がポツリと話してくれました。
自作のエンクロージャーが素朴なスピーカーは、なんとアルテックだった・・・
つい普通にサックスを置いてしまった私でした・・・
スタジオ専用のトイレがあるだけでも驚くのに、配管以外は自作ときいて仰天。
「会社の定款変えて工務店もやったら?」と冗談を言ってしまいました。
デザインセンスもさることながら、何故ここまで完成度の高い仕事ができるのか・・・
久々にプレイをした後は、彼のプライベートルームへ(この部屋もそうだよな)。
部屋の広さと所狭しとおかれたAVシステムや機材、大量のCDとADに仰天。
更に仰天したのは、バンド仲間と練習の後に飲んだり食べたりするために、
プライベートルームにキッチンを増設したということ・・・
なんでも、キッチンを増設するまでは1階のキッチンで料理をつくって2階に
運んでいたとのこと。
その間、バンドメンバーと話せない。
ということでキッチンをプライベートルームにも増設したとのこと。
なんと、冷蔵庫、レンジ、その他全て普通の家庭レベルで揃っていました・・・
彼は手際よく次々にお料理を創って出してくれます。
ピザも生地以外は手づくり。そして焼きそばが
滅茶苦茶旨い!!!
<焼きそばへの気づき>
何故こんなに美味しいの? と聞くと・・・
焼きそばは麺が太い方が実は美味しいんだよ。
それから、焼きそばについている粉ソースは当然使うんだけど、
オイスターソースを少し加えると美味しさがぐっとアップするんだよ。
そこで私も更に質問をしました。ではなぜ市販の焼きそばの殆どは麺が細いのかと。
企業はとにかく美味しいものをつくろうと日々研究しているわけですから、
その企業が細い麺を選んでいるということは細い麺が美味しいということではないかと。
すると彼は、「家庭の主婦が簡単に焼きそばがつくれるように麺を細くして、
予め油をからませてあるんだよ」とのこと。
やはり彼は食でも極めていました・・・また初心に戻って料理をすることを決意。
彼はこうしていつもメンバーや仲間に料理を創って振舞いつつ、
みんなの話をうんうんと聞いているそうです。
こういう人柄が彼を成功に導いたのかもしれないなあ・・・と思いました。
彼は今の住まいにとても満足しているのですが、一つ不満があるそうです。
聞いてみたら、「ジョイフルホンダが近くに無いこと」だそうです。
ジョイフルホンダが東京に進出してくれるのを期待しているとのこと。
これだけのスタジオを自作で創っちゃうような人からすれば
ジョイフルホンダはきっと夢がいっぱいつまった宝箱のような存在なのでしょう・・・