トライアングルの部屋

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ハリネズミの願い

2017-03-28 05:37:19 | 本 2017年
この話のあらすじは
訳者あとがき丸写しで!!

主人公は、自分に自信のない臆病で孤独なハリネズミ

みんなに遊びに来てもらおうと
「キミたちみんなを招待します」と
手紙に書いてはみたものの
だれかが来ると思うだけで不安になり
「でも誰も来なくてだいじょうぶです」と
付け足してしまう

しかも結局、出さないことにして
手紙は引き出しのなかへ

ハリネズミの頭の中で起こる想像上の訪問が
59の短い章でつぎつぎと語られてゆく

食いしん坊のクマ

うれしくもない小型噴水をおみやげにくれるクジラ

勝手に部屋を半分に分けてしまうビーバー

警戒心がつよくて少しも訪問を楽しめないミーアキャット

みんないかにもその動物が言いそうなセリフを口にし
身勝手だが憎めない

作者テヘレンのことば
「何を言われても絶対怒らない カメみたいな人は
実際いるよね
そしてなんに対しても常に怒っているカタツムリのような
人もね」

ハリネズミは自分の体のハリにコンプレックスを抱くと同時に
そのハリこそが自分という存在の根源であり
誇りでもあるように感じている


印象に残ったところ
ネタバレ

ぼくはヘンで恐怖をかきたてて孤独で自信がない
ぼくにはハリがあって
それでもだれかに遊びに来てほしい
でもやっぱり遊びに来てほしくない

いったいぼくはなんて動物なんだ

そして手紙も出さないのに
遊びに来てくれたリス

それまではみんなが遊びに来たことを
頭の中で想像していただけだが
リスの訪問は事実

帰ってからのリスからの手紙

「とっても楽しかったね ハリネズミ

また会おうね!」

ハリネズミはぎゅっと目をつぶって深いため息をついた
また会おうね

それはハリネズミの知るもっともすてきな言葉だった

この本は朝日新聞で
人付き合いで悩んでいる人に薦めていた本

作者のテヘレンさんはオランダの作家

30年以上にわたって子供たちのために動物を主人公とする
絵本や物語を書き続けた人で
本業は医者

これは大人向けのシリーズの一冊
コメント
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