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学校での見えない子ども虐待

2008-10-12 09:05:13 | 教育論
虹色教室に通ってくださっている親御さんから
とてもショッキングなお話をうかがいました。
プライバシーに深く関わるものの、
この出来事をきちんと言葉にすることで、
多くの子が、学校での見えない子ども虐待から救われるかと思い
記事にさせていただくことにしました。

小学校高学年の☆ちゃんは、知能が高く、心が優しい女の子です。
一見したところ、ごく普通の小学生で、数人のお友だちのグループと
行動を共にしています。
☆ちゃんは、忘れ物が多く、てきぱき行動するのが苦手で、
お友だちのものを誤って持って帰ってしまったり、
自分の物と他人の物の区別がつきにくかったりする一面があります。
それは他人の物を自分の物にしてしまおう…とする犯罪としての
区別のつきにくさではなく、
認知の面でそうした区別したり分類したりする能力に
弱さがあるようなのです。
☆ちゃんの「うっかり」が、学校で事件として取り上げられ、
お友だち、お友だちの親、担任の先生から
一方的に責められ叱られ、していないことまで疑いの目をかけられるように
なっていました。

その事件後、親御さんが、☆ちゃんを病院に連れていきWISC-Ⅲの検査や
診断を受けたところ、精神科医の先生から、
高い知能と、できないこととの間に大きな開きやばらつきがあり、
学校でなんとか過しているだけで本人には
ものすごく大変であること。
学校での扱い等で叱られてもどうすればよいか分からず、
自分の処理できないことが増えすぎて、
かい離
を起しかけている。
という忠告を受けました。

かい離というのは、進むと多重人格になったり、離人症になったりする
深刻な心の状態ですが、
それほど珍しいものではないようです。
本人に改善しずらいことを叱られ続けたりすると、
「叱られキャラクター」といったものを作って、
辛い場面を避けるようになることからも生じるようです。

高機能広汎性発達障害に認められる併発症の調査では、
犯罪率や行為障害の率が4.9パーセントなのに対して、
解離性障害は7.3パーセントと
とても数値が高いのです。
(発達障害の子どもたち  杉山登士郎 講談社現代新書より)

発達に大きなばらつきがある子は、
診断を受けるまでもないグレーゾーンの子であっても、
適切な支援がないまま集団生活を送っていれば、
こうした障害を併発するリスクが高まるようです。

それにもかかわらず、「自分の考え」「自分の子ども観」に固執して、
みんなと同じに出来ない子は「甘え」「怠け」という
視点でだけしか眺められない先生は、
日々、外からは見えない子ども虐待をおこなっているとも言えるのです。
「他人に迷惑をかけない」というあたり前のしつけも、目の前の子を
よく見ずに、他の子と比べたり、恥ずかしい思いをさせたりして、
心を追い詰めるしつけをするのなら、それもまた虐待にあたるのではないでしょうか?

今の学校の状況が続けば、グレーゾーンの子たちは、
不登校しか自分の心を守る手立てが
なくなってしまいます。

学校に教育としての特別支援だけでなく、
診断されてない子も含めた心を守るシステム作りがすすんでいくことを
望んでいます。

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