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ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

発達障害児は「迷惑」な存在なの?

2008-10-10 08:27:27 | 教育論
今日はLD児の漢字学習の記事を書く予定だったのですが…

ネットのアクセス解析をたどっていくつかの記事を読むうち、
発達障害児を育てる大変さは、
周囲の無理解からくる部分が大きいなぁと感じ、
前回までの記事とと同じように
うだうだ私が考えたことを書かせていただくことにしました。(漢字は次回に♪)

発達障害のある子についてヤフー知恵袋や掲示板などに書かれている意見を
読むと、
やたら「迷惑」と言う言葉が使われています。

普通教室でも、他に「迷惑」をかけるようなら考えて欲しい
発達障害児の親は、天才にしようなどズレたことを考えず、
「迷惑」をかけないようにしつけるべき

迷惑という言葉が行き過ぎて「檻に入れとけ」とまで書き込む人もいます。

こうした言葉を安易に使う人は、
一方で発達障害を持つ子を育てる親が、
迷惑をかけないようにしつけようとがんばるあまり虐待に走ってしまったり、
子どもを殺める事件にまで発展すれば、
「鬼母」とののしるのでしょう。

私はこの「迷惑」「迷惑」声高に唱える人に、いつも疑問を感じてしまいます。
日本の社会や文化や政治に目を転じて、
大きな視野で眺めてみれば、

そのマナーの悪さ、質の低下、迷惑の数々、犯罪の横行、国民の気持ちを無視した政治の政策、食品業界の不正、夜の繁華街の繁栄、

数え上げたらきりがないし、どれも自慢できるものではありません。

それらは、発達障害児が作り出した文化じゃありません。
発達障害児は全体の数パーセントなんですから…。

そうした自分達が作っている大きな「迷惑」には目もくれず、

発達障害児が成長の一時期に、
できないことを他の子よりゆっくり学んでいるからといって、
「迷惑」と言う言葉で攻撃したり、
難しい子育てにはげむ人たちを
自分がしたこともないのに好き勝手な意見を投げたりするなんて…
弱いものいじめ以外なんでもないですね。

以前テレビで、大阪の橋本知事が、「ニート」の若者達を
激しい口調でののしっていました。
確かに甘えがあって働かない人もいるかもしれないです。でも、個々に事情があり、背景には社会の無策の問題が隠れているのに、
攻撃する気持ちの良さにだけ酔って、
「迷惑」という観点からだけしか物を見ない人は、

本当いうと、一番「迷惑」な存在だったりします。

とにかく弱い相手を「自分のコントロール下に置きたい」という願望が
見え隠れしてますから…。
幼稚園の園児を軍隊的にしつけようとする先生もそうですね…

「迷惑」「迷惑」唱える言葉の裏にあるのは、
自分が「めんどくさい」気持ち、
短絡的な「いらっ」としやすい感じ方だと思います。

発達障害のある子を持った親の立場に立って、自分なら…と想像する
めんどくささ。
自分が発達障害を持って生まれたら、頑張って生きれるだろうかと想像するめんどくささ。
相手の成長速度に合わせて待つわずらわしさ。
とにかく考えるのも想像するのも、めんどくさいので、
誰にも自分の期待を裏切って欲しくないし、
コントロールできる存在でいて欲しい…

そうした自分の心の弱さを
「迷惑」という言葉にすりかえて、
他よりも努力を必要とする日々を懸命に生きている人たちにぶつけて
いるのだと思います。
一呼吸して、自分のかけている「迷惑」について想像をめぐらせて
欲しいものです

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
迷惑 (junseok)
2008-10-10 12:47:55
こんにちは。

日本人の対人構築における最重要項目ですよね。

迷惑をかけないって。

ただ迷惑をかけないというのは、
外部へ感情やストレスを出さないわけで、
家族殺しのきっかけにもなってる気もします。

僕も嫌ですね。

何でも迷惑・迷惑・迷惑~

なーんかヤダですね。
返信する
本当に (はらぺこ親父)
2008-10-10 12:59:01
まったく同感です。
一人でも多くの人が早く気づいてくれればと思います。

返信する
Unknown (てちはは)
2008-10-10 15:13:10
「迷惑」と言われる度
「迷惑」そうな顔をされる度
胸を締め付けられるような思いで
「すみません」と繰り返してきました。

ある日、私が目を放した一瞬
「痛っ!」という声がして、振り向いたら怒りを顕にした年配の男性。
その側には私の息子が・・・
とっさに息子を抱き寄せ「すみません」と謝りました。
すると息子が「僕じゃない!」
男性はそのまま行ってしまったのですが
息子の言葉が胸に刺さりました。
「お母さん、僕は悪くないのに何で謝るん?
僕は何にもしてない!
何でお母さんはいっつも謝るん!」

いつの頃からか「すみません」を繰り返していました。
「迷惑をかけてはいけない」という思いが
気がつけば「迷惑をかけている」に摩り替っていたようです。
そんな母の姿を息子はちゃんと見ていて、傷ついていたんですね。
何も言えずに育ってきた娘もたくさん傷ついていたのではないかと思います。

子供達の為にもしっかり胸を張っていようと思いました。
今回の記事を読んでその思いは更に強くなりました。

返信する
「迷惑」 (ぽんこ)
2008-10-10 22:20:27
以前、教師の集まりでお話をさせてもらったときに、
障害児の親が「他の子に迷惑をかけるんじゃないかと心配で…」と発言されました。
その時にいた教師は「迷惑なんていわないで。学び取ることがたくさんあるのよ」と言われました。
親が子どもを「迷惑をかけている存在」と見なくてもよいように、周りの人間がしていかなくてはいけないと思います。
障害児も、その親も、関係者も、堂々と生きていける社会になればいいですね。
返信する
社会 (えつまま)
2008-10-11 07:47:54
一昔前なら 「気の毒に」という言葉があったのに
今のオトナには 『障害に甘えている』『自己責任』
という類いの言葉しか無いのか、と悲しい気持ちに
なることが しばしばあります。

血縁関係のある人にさえそういわれるのだから
ときどき この国の人たちは優しさは
どこに忘れて来たんだろう?と思います。

人間のついていけるスピードで社会が
変化しなかったということでしょうか。

でも それでも 生きて行かなければ
ならないのですね。
返信する
迷惑、という言葉 (こりんまま)
2008-10-12 09:49:27
毎日、とても興味深く読ませてもらっています。
この記事を読んで改めて「迷惑」という一つの単語にある意味について考えさせられました。
わたしも、息子が関わることで学校で何かトラブルがあると、昔はいつも「誰かに迷惑をかけてしまったんだな」と思っていました。
それはもうほとんど反射に近いもので、息子の言い分やその時の詳しい状況などを聞き取る前から、
「周りにはうちの子が悪いと解釈されているんだな」と、誤解をとこうともせずに、とにかく謝らなければと思って、気持ちが暗くなっていました。
けれど、周りにはいろんな人がいます。中にはよくしてくださる方や応援してくださる方もいて、
うちの子にはうちの子なりのよさ、長所があるんだと、わたし自身がまず信じてあげられなければ始まらないんだと教わりました。
もっときちんと「迷惑」について、「誤解」について、すすんで取り組んでいかなければと強く思いました。
返信する