さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

種ごと食べられる新品種 県内でも栽培「ピノ・ガール」

2023-08-13 16:43:11 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、小玉への転換が進む、県内の栽培について取り上げた。
農水省の統計値によると、スイカにおける全国の収穫量は約20年前と比べ23.7%の減少、作付面積は29.2%の減少となり、大きく数を減らしている。
その要因のひとつが種の存在。種を取り除きながら食べるのが面倒という声が多く、スイカ離れが進んでいるという。
この問題を打開しようと、近年、種ごと食べられる品種が登場し話題を集めている。
今週は、県内でも栽培が進む新品種「ピノ・ガール」を紹介したい。


【写真】種が小さく食べられる「ピノ・ガール」

ピノ・ガールは小玉スイカで、種の大きさが従来品の約4分の1と小さく、そのまま食べられる、マイクロシード。種を噛んでも苦みがない。
1玉あたりの重さは約2kgで、やや縦長の楕円形をしている。薄皮で果肉は濃い桃色。やや硬めでシャリシャリとした食感があり、糖度は15度以上のものが多く糖度が高い。
県内でも栽培が行われており、筆者は産直市場で印南町産のものを購入。価格は1000円から1500円程度。前号で紹介の「ひとりじめ」とほぼ同じ価格で手に入る。

「スイカの種を食べると盲腸(虫垂炎)になる」と聞いたことがある方も多いのではないだろうか。種が小さくなったとしても食することに問題は無いのか。
諸説あるが、種が盲腸に入り虫垂炎を引き起こす可能性は極めて低く、ヨーロッパから伝わった迷信であるという。もともとは「ブドウの種を食べると盲腸になる」という迷信が起源とされる。
実際、種は脂肪分とタンパク質でできており、消化されずに排泄されるので、食べても問題は無いという。

種を気にせず、スイカの味わいを思う存分に楽しめるピノ・ガール。スイカのイメージを変える新品種を、是非試してみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする