さんぽみちプロジェクト

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和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

生涯「梅」を愛する 天満宮の祭神・菅原道真

2019-06-09 13:49:17 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
「梅の雨」と書いて梅雨(つゆ)。ジメジメとしたシーズンの到来を間近に、県内では梅の収穫が進む。
前号では、梅雨の名称の由来や、紀州街道の北端にあたる大阪天満宮に献梅された「紀州南部の南高梅」を取り上げた。


【写真】大阪天満宮(右に見えるのが南高梅)

「大宰府天満宮(福岡県)」をはじめ、「北野天満宮(京都府)」など、天満宮は梅の名所としても知られる。今週は、天満宮と梅の関係に迫りたい。

天満宮は、学問の神として知られる菅原道真(すがわらのみちざね)を祭神とする神社。
全国各地に存在する天満宮であるが、菅原道真が大宰府へ向かう途中に立ち寄ったとされる「和歌浦天満宮(和歌山市)」を、大宰府、北野に継ぐ日本三大天神という説もある。

菅原道真(845年-903年)は平安時代の貴族。学者であり、政治への影響力も強く要職を務めた。
梅との関わりは5歳の頃に詠んだとされる歌からうかがえる。
「美や、紅の色なる梅の花、あこが顔にも、つけたくぞある」。

「あこ」とは道真の幼名「阿呼(あこ)」で、「美しいな、紅色をした梅の花は、自分の頬にも付けたくなるよ」という意味。
梅を愛する心が色濃く出ているのが、京から大宰府へ向かう(左遷される)際の「飛梅(とびうめ)伝説」。

道真が自宅の梅の木を思い起こして詠んだ「東風吹かば 、にほひおこせよ、梅の花、主なしとて、春を忘るな」。
「春の風が吹けば、その香りを太宰府まで届けておくれ、梅の花よ、主の私がいないからと、春を忘れるのではないぞ」という意味。

その梅は一夜にして大宰府まで飛んできたといい、樹齢1000年を超える今も、太宰府天満宮の神木として「飛梅」の名で知られている。

道真の生涯通じた梅への思いがうかがえる。

(次田尚弘/大阪市)
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