さんぽみちプロジェクト

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みえ伝統野菜品目「伊勢芋」 三重県多気郡多気町 3

2016-07-17 14:00:02 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では三重県多気郡多気町の「五桂池ふるさと村」について取り上げた。
ミカンや柿、イチゴ、ブルーベリーなど農業の収穫体験が楽しめ、多気町の特産品の魅力に触れられる施設。
これらの他にも多気町には有名な特産品「伊勢芋(いせいも)」がある。今週は伊勢芋について紹介したい。


【写真】伊勢芋

伊勢芋はヤマノイモの一種。見かけはジャガイモのようだが、薄い皮とアクの少なさ、タンパク質の多さが特徴で粘り気が強い。
多気町を流れる櫛田川に沿った地域が砂地で形成されていることから水はけがよく、また、肥沃な土壌であることから、この地が伊勢芋づくりに適している。

秋に収穫期を迎えるが、収穫した芋のうち4割程度を種芋として確保する必要があるため流通数は多くなく、栽培が難しいなどの理由から栽培する農家も減少しているという。
種芋(親芋)を地中から上へ押し上げるように子芋が成長する特徴があり、そのさまを、親孝行に例え「親孝行芋」としての別名もあり、かつてから婚礼など祝い事の際の贈答品として親しまれてきた。
この地で栽培が始まったのがおよそ300年前。明治から栽培が盛んになり松阪商人により名古屋方面へ流通が始まったとされ、現在は「みえ伝統野菜品目」にも選定。
地域のブランド食材として広く発信されている。

主な料理としては、すりおろしにしたとろろ汁を温かい麦飯にかけたものや、伊勢うどんにかけたもの、鉄板焼きなどが一般的。短冊切りにし揚げたものや、プリンなどのスイーツ、芋焼酎など様々。
粉末状に加工し個別包装された土産品もある。

秀品であれば1キロ4千円程の価格で流通する高級食材だが、とろろのきめの細かさは一流。
ぜひ御賞味いただきたい。

(次田尚弘/多気町)
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