さんぽみちプロジェクト

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和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

故郷の歴史的魅力に触れられる 六義園の「吹上浜」・「吹上松」

2013-07-07 13:34:47 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

前号より「和歌浦」や「藤代峠」など和歌山の景観が映し出された庭園「六義園(りくぎえん)」を紹介している。

 

 

 

【写真】六義園の「吹上松」

 

万葉集や古今和歌集の時代を映し、今では想像のつかない景観が見られるスポットが「吹上浜(ふきあげのはま)」だ。

 

和歌山市の吹上にちなんで造られ、古今和歌集にも詠まれた「秋風にふきあげにたてる 白菊は 花かあらぬか 波のよするか」(秋風の吹く、吹上の浜に立っている白菊は、花なのか、それとも波が寄せているのか、見間違えるほどだ)にあるよう、かつて、和歌山城がある虎伏山の南に連なり、白菊の花が咲き乱れていたという砂丘(吹上浜)を表現している。

 

砂丘の傍では松林が広がっていたことから、同園では「吹上松(ふきあげのまつ)」として再現。案内板では、根本の幹が宙に浮いた形が珍しい「根上り松」について紹介され、今も和歌山大学附属中学校の校庭に残る「岡山(奥山)の根上り松」が、砂丘という吹上独特の地形に由来することがよくわかる。

 

今や吹上は住宅地となりその面影はほとんどない。

しかし、先日創立140周年を迎えた吹上小学校の校歌「松風清き 吹上の 浜に栄えし 昔より 名もかぐわしく 伝われる 白菊の花 ゆかしやな」という詩として今なお地域の子供たちに歌い継がれ、「根上り松」と「吹上の白菊」が附属小学校の校章の由縁であることも確か。都心のど真ん中にある六義園もまた、和歌山の和歌の世界を人々に伝え続けている。

 

故郷の歴史的な魅力に触れられる。とくに修学旅行の生徒たちに訪れてもらいたい。山手線・東京メトロ南北線「駒込駅」下車徒歩約10分。

 

(次田尚弘/東京)

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