和歌山は海の幸、山の幸に恵まれたところ。昨日行われた城下町バルに参加された方もいらっしゃるかもしれない。
定額のチケットを購入し、行ったことのない店や初めての料理にトライする。一度訪れて虜になったという声が多く聞かれるのがバルの魅力だ。
バルがきっかけではないが、昨年、知人のすすめで訪れた雑賀崎のとある店。目の前の漁港で捕れた足赤えびを食べ、以後、それの虜になっている。
【写真】雑賀崎で獲れた足赤エビ
その名の通り、赤い足が特徴。髭は紅白でいかにも縁起がいい。体調は15~20センチ程。足赤えびの正式な名称は「クマエビ」といい、クルマエビ科に属する。確かにクルマエビに引けを取らない美味しさだ。漁期は10月~5月。房総半島以西の近海で捕れ、決して和歌山県特有のものではない。
だが、昨今、巷で目にするのには理由がある。県海草振興局の取り組みで平成22年から地域の魅力ある食材を観光客に限らず、地元住民に向けてPRしようと「和海地域アシアカエビ販売促進協議会」を発足。「足赤エビ売り出し大作戦」と題し、地元旅館への集客観光商品の開発支援、首都圏への販路開拓、販促アイテムとして専用の幟も用意され積極的な活動が行われている。
和歌山市内のスーパーマーケットでも販売されており、一尾500円程。輸入物に比べると倍以上の値段だが、価値はあると思う。
地元住民に向けたPRで地産地消を促進し、口コミで全国にそれの価値が響いていく。身近な食材「足赤えび」を通じ、地場食材のブランド化のために、まずは地域で愛され地産地消が促進されることが重要であることを、改めて感じさせられた。
(次田尚弘/和歌山)