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インスリン抵抗性とインスリン敏感性

2016-06-27 06:06:46 | 代謝
Insulin-sensitive fat leads to obesity

Cellular sorting protein disrupts fat metabolism by recycling molecular receptors for insulin

June 21, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/06/160621111214.htm


(SORLAレベルの上昇とともに脂肪細胞のサイズが大きくなる

Credit: Vanessa Schmidt/MDC)

SORLAは細胞内のタンパク質が どのような処理を受けるかを分類sortする機構の一部である
そこでタンパク質は分解されるか、または再利用されるための目印をつけられる

アルツハイマー病の場合、SORLAはアミロイドβという危険な蓄積物を生じるタンパク質のレベルを低下させる
しかし、脂肪細胞ではSORLAにもう一つの役割があり、脂肪細胞をインスリンに過剰に敏感にして脂肪を過度に蓄積させる

この代謝的な機能の詳細が今回Thomas Willnow教授らが率いる研究チームによって突き止められた
この研究結果はJournal of Clinical Investigation誌で発表される

その中で科学者たちはSORLAがどのようにして機能するかを詳しく記述している
研究はヒトのサンプル、マウスモデル、細胞培養で行われた

これまでSORLAの特定の遺伝型と、腹部径の大きさ、体脂肪レベルの増大との間のつながりが知られていたが、それらは遺伝学的な研究によるものだけだった

研究者は362人の脂肪組織を分析し、脂肪にSORLAが多いほど過体重の度合いが強くなるであろうことを発見した

彼らはさらに、SORLAの遺伝子が脂肪組織だけでSORLAタンパク質を多く作るようにしたマウスの実験により因果関係を確立した
このマウスが高カロリーのエサを食べ始めると急速に太ったのとは対照的に、
SORLAの遺伝子を不活化されたマウスは同じエサを食べても、SORLAが通常レベルのマウスと比べてさえ顕著に痩せていた

SORLAが過剰な細胞は、明らかに強くインスリンに反応していた
培養細胞の研究により研究者はSORLAとインスリン受容体分子を追跡し、それらが途中で細胞の『分類ステーション/sorting station 』を通過することを明らかにした
そこでSORLAはインスリン受容体に再利用されるように目印をつけ、リソソームという区画で分解されないようにしていた
SORLAが高レベルであるほど、細胞の表面に到達するインスリン受容体は増加した
受容体の数が多いということはより多くのインスリンが細胞に結合できることを意味し、
細胞はインスリンに対して過剰に敏感になる
これにより細胞が本来なら分解すべき脂肪を分解する量が減少する


インスリンによって引き起こされる代謝プロセスの乱れは糖尿病の特徴である
今回の研究結果からWillnowたちはインスリンシグナルが細胞内で通過するまったく新しい経路を明らかにした
この経路は糖尿病を治療する人々で顕著である可能性が高いだろう

「2型糖尿病にはインスリンが効きにくいというインスリン抵抗性
も含まれているが、それだけが問題なのではない」
Willnowは言う

「代謝が乱れうるもう一つの原因は、脂肪組織がインスリンに対して過剰に敏感になることである」

マウスの実験では、通常のエサを食べている時はSORLAの量が多くても少なくても体重は変わらなかった
しかし、SORLAが多すぎるマウスだけが『ファーストフード』、つまり高脂肪かつ高炭水化物のエサを食べて極端に体重が増えたのである

Willnowは言う
「このことが示唆するのは、インスリンに対して過剰に敏感な脂肪組織だけが、不健康な食事を食べる時に問題となるということである」


http://dx.doi.org/10.1172/JCI84708
SORLA facilitates insulin receptor signaling in adipocytes and exacerbates obesity.

細胞内に内在化されたインスリン受容体は、SORLAによってエンドソームから細胞膜に戻される



関連サイト
http://www.genecards.org/cgi-bin/carddisp.pl?gene=SORL1
Aliases for SORL1 Gene
SORLA
LR11



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/5410eb0f0900f4f19d875c843cfb6ab9
可溶性LR11/SorLAは脂肪組織の熱発生を抑制し、ヒトのBMIと相関する



関連サイト
http://first.lifesciencedb.jp/archives/9857
SorLAはアミロイドβペプチドのような凝集を起こしやすい性質をもつ様々なペプチドを幅広く認識して分解系へと輸送する役割をもつ


<コメント>
論文のReference 18が
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/5410eb0f0900f4f19d875c843cfb6ab9

ただし論文中では影響が見られなかったという


>Recently, a role for the soluble ectodomain of SORLA (called sLR11) in control of thermogenesis in mice has been reported.
>Specifically, sLR11 is proposed to act via the BMP receptor pathway to suppress browning of WAT (18).
>Possibly, SORLA may assume different roles in control of systemic metabolism, including action as a humoral factor.

>However, our data unambiguously document a cell-autonomous function for the full-length receptor in control of body weight and the incidence of obesity.
>This conclusion is supported by unchanged rates of transcription of genes proposed to act downstream of sLR11 in control of thermogenesis (18) in experimental conditions described here (Supplemental Figure 10)
(今回の実験の状態では、熱発生の制御においてsLR11の下流で働くと提案されている遺伝子の転写レートには変化がなかった) 
 

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