日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

年下の上司に、負けたと思ったこと。

2011-09-06 22:31:10 | Weblog
今日は、怒りっぽい利用者様のところへ訪問。

担当のケアマネージャーは、全然相手にもされず、歩行器を持ち上げてぶん投げる態度まで見さえられて「とっとと帰れ!」と、会ってもくれないそうなのですが、一緒に行った福祉用具相談員、年下の上司は並の人間ではないのです。

非常に人当たりが柔らかく、会話ミスを一言も発せずに、奇跡とも思える話術でした。相手は多少の不機嫌さを見せながらも、スムースに契約を終わらせてくれました。

「相手を怒らせなかったのが良かったんですかね?」と僕が聞くと、

「いや、相手を怒らせるのも僕はありだと思うんですよ」という返答。

「へ?」

「今日の利用者さんの世代は、課長であったり、部長であったり、どちらかというと仕事で高いポジションがあって威張っていた世代だと思うんですね。部下を怒るときのような上下関係を思い出させて、そして充足感を与えてあげるんです」

「はあ…。」

「相手が、自分の部下のように思ってくれれば、普段怒りっぽい人でも、部下を本気で嫌いな上司はいませんから、そのときはしめたものです。うまく行けば、こいつの面倒を見てやろうという気にもなってくれるんです」

「うわっ!(なんだこの人!)」

負け、負け。ベテランのケアマネージャーまでもをいつもフォローしてしまう福祉用具相談員って、何ですか?

私は、あなたの一番弟子になりますよ。

頭を下げて、様々な技術を乞いますよ。

将棋指しの米長邦夫が、60歳で名人になれたのは、若い人に将棋を教えてくれと頭を下げられたからでしょう。

「実るほど、頭(こうべ)の垂れる稲穂かな」って、たぶんそういうことだ。