日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

「ピンハネ」と、「溜め」

2008-06-24 10:15:03 | Weblog
昨日のTBSラジオ・アクセスでは、「反-貧困ネットワーク」事務局長の湯浅誠さんが出ていました。

「ピンハネとは、その名の通り人件費の1割をハネることで、今の派遣会社は3ハネ、4ハネなんです」という、湯浅さんのお話。

グッドウィルなんてのは6割もピンハネしていたそうで、そう考えると、人買いの時代のヤクザの方が優しかったのかも知れません。

ためになったね~、ためになったよ~。

というのは、お笑いレッドカーペットに出てくる芸人さんのセリフですが(笑)、湯浅さんの著書『反貧困』によれば、「溜め」とは貯金などの金銭的な余裕を指すものだけではなく、頼れる家族や友人がいるのも人間関係の余裕としての「溜め」になるのだとか。

貧困などというものは、単にお金に困っている状態をわらわすものではないのですね。

湯浅さんの著書によれば、

『三層(雇用・社会保険・公的扶助)のセーフティネットに支えられて生活が安定しているとき、あるいは自らの生活は不安定でも家族のセーフティネットに支えられているとき、その人たちには“溜め”がある。逆に、それらから排除されていけば、“溜め”は失われ、最後の砦である自信や自尊心をも失うに至る。“溜め”を失う過程は、さまざまな可能性から排除され、選択肢を失っていく過程でもある』

ということだそうで、自己責任論を持ち出す人は、自分たちがこういった「溜め」に無意識に恵まれていて幸運であったことや、貧困者にこういった「溜め」が無いのを無視してもっと努力をしろといいます。しかし、誰だって頑張れるためには「溜め」という最低限の条件がいるわけです。

日本は昔貧しかったですけど、人間関係の「溜め」はありました。

バブル期はみんなイカレていましたが、金銭的な「溜め」はありました。

今は、人間関係・金銭・公的扶助の「溜め」が、み~んなありません。

どうやって生きていけというのでしょう(笑)