日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

景気対策にむき出しの闘志を燃やせ!

2008-06-03 09:43:26 | Weblog
森永卓郎「構造改革をどう生きるか」より
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/135/

むき出しの闘志でサブプライムローン問題に立ち向かった米国

 あれほど深刻と思われたサププライムローン問題で、なぜ米国の傷がこれで済んだのだろうか。米国の景気の底割れを防いだ理由は、金融不安の収まりだけではない。何よりも、速やかに経済対策を実行したからにほかならない。

 この点については、「第129回 日本が経済無策のまま景気後退を続ける理由」でも触れたが、その時点での対策にとどまらず、さらに米国は追加的な措置を行なった。

 減税規模は当初1500億ドルといわれていたが、個人を対象にした戻し税と企業減税を合わせて、これまでに1680億ドル近くに達している。

 このうち、個人を対象にした戻し税による減税が1000億ドルを占めているが、ブッシュ大統領はその減税の開始時期を、当初の5月2日から4月28日に前倒ししている。

 日本の経済規模は米国の約3分の1であるから、日本に当てはめてみると6兆円近い規模の減税を速やかに実行したことに相当する。

 金融対策も同様だ、FRB(米連邦準備理事会)は今年に入ってから1月22日に0.75%、1月30日には0.5%と、立て続けに利下げを実施した。さらに、3月18日には0.75%、そして4月30日には0.25%の引き下げを実施した。結局、この4カ月間で2.25%、昨年秋からの累積では3.25%も金利を下げたことになる。

 もちろん、急速な利下げには弊害もある。だが、問題は何を優先するかだ。何よりも避けるべきなのは経済の失速なのであり、それを防ぐために米国はなりふり構わず、あらゆる対策を実行したのである。その結果の景気底割れ回避なのだ。そういう事実を、なぜ日本の新聞は報道しないのか。

 つくづく日本の新聞は、ケインズ経済学、マクロ経済政策論が嫌いらしい。金融緩和や財政出動で経済が立ち直るのを見ても、信じたくもないし、報道したくもないというのが本音なのだろう。


(引用終わり)

日経平均株価がどんどん上昇し、TOPIXが今年最高値を付けている今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか?

今考えれば、森永さんが日経平均1万2千円台に落ち込んだときに、株の買い出動を宣言しましたが、その時に、ちゃんと買っておけば良かったのかも知れません(笑) 5年くらい森永さんの記事や、書籍を読み続けていますが、彼の経済予測は大体当たって来ましたね。

米国のなりふり構わぬサブプライムローン処理は、素晴らしいものでしたが、ブッシュが播いた1680億ドルの金額というのは、現在1ドル104円くらいですから、17兆円以上のヘリコプターマネーをバラまいたことになります。

現在の底値から2千円程度の日経株価の上昇は、サブプライムローン問題が山場を超えたことの好影響だと思われますが、これ以上の戻しについて考えると、冬柴不況や、一次産品のインフレ、日銀の金融引き締め、公定歩合の利上げ、9年連続の所得減少、増税の影響など、あまり報道されなかった国内の景気の冷え込みがそもそものベースとしてあるので、なかなか難しいと思われます。

それにしても、本当に日本の新聞は、ケインズ経済学、マクロ経済政策論がお嫌いなようで。ブッシュのバラマキによって、サブプライムローン問題が解決に向かっていることを、意図的に報道しないようです。

増税論者の与謝野肇が、「自民党の中には、成長さえすれば何でもかんでも解決すると思いこんでいる者たちがいる」と言っていましたが、成長さえすれば、何でもかんでも解決するのです(笑)

気のせいか、中川秀直を応援したくなってきた今日この頃です。