雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺の才能なし俳句「祟りじゃー」

2017-09-07 | 日記
 過日、腸の内視鏡検診に行ってきた。我慢の出来ない程の苦痛ではないが、些か屈辱ではある。カメラの先端が腸壁を突いているのだろうか、時々痛みが走る。「痛かったら言って」と、ドクターが声を掛けるが、どの程度の痛みで訴えたら良いのかわからない。堪えているとドクターが素っ頓狂に声を出した。
   「○○さん、大腸の憩室を摘出したと言っていたが、残っていますよ」
 ドクターに「大きな手術は?」と訊かれて、虫垂摘出の折に、確か憩室も摘出したと答えていたのだ。カメラは大腸に進んでいるらしい。
 シャッターを押しながら、ドクターの説明は一先ず「憩室」の方へ行ってしまった。

 内視鏡検診を受けながら、自分の悪戯小僧時代を思い出していた。我々が疣蛙(イボガエル)と呼んでた少し大きめの蛙を捕まえ、その尻から麦藁(ストロー)を差し込んで「プゥー」と吹くと、蛙の腹が河豚(ふぐ)みたいに膨らむ。そのまんま池に戻してやると、暫くの間腹を上にして「ぷかん」と浮いていた。蛇が見つけると一飲みだったろう。

 蛙を虐めた罰なのか、今の自分は膨らされた蛙そのまま。内視鏡を突っ込まれて空気を入れ、腹をプクーと膨らされて横たわっている。「蛙の祟じゃー」。 そこで一句‥

   ◇池澄みて 逃げるや 波白し

   ◇池の土手 あけび見付けし 子の歓喜

   ◇天高く 池面に浮かぶ 雲一片 


   (アンダーラインは季語)