前回は、とあるきっかけで古い某ロボットアニメに
再度嵌るまでを書きましたが、そこに至るまでの道筋をもう少し。
2000年前後。
かっての仲間がどんどん同人活動やらオタ趣味を卒業していった。
その頃の自分のメンタリティもそうだった。
「漫画描きなんてもう卒業、子供っぽくて!」
そんな風に考えはじめていた。
いや、そうでなくとも
墨とケント紙での執筆に限界を感じていた。
正業を持っているので
とにかく時間が取れない。
下書き、ペン入れだけならまだしも、
ベタ、トーン張りなんかをやり出したら圧倒的に時間が足りない。
仕事を持ちながら、趣味の同人でマンガを描く。
こういう方々の悩みは唯一「時間がない」ことではないでしょうか。
自分もオールアナログでやってるころは、1年一作がいいとこだった。
創作系だったし、お話を作るだけでも一苦労だった。
一時セラムンに熱病の如く嵌ったとき、夏コミあわせで4ヶ月で
100頁のオマージュ作品を描いたことがある。
仕事が死ぬほど忙しい時期で、午前様で帰宅して
朝まで原稿描いてそのまま会社へ行くという生活を
約2ヶ月続けたらまじにぶっ倒れた。
救急病院に直行だった。
仕事しながらのマンガ描きは無理!
少なくとも、ベタ、トーンまできっちり入れて
長編描くなんざ、とても時間が許さない、
と悟った次第。
なもんでそれから暫くの間は
ペンを置いた。
ある日、敬愛する某マンガ家先生のコメントで
Comic Studioで作業効率が大幅UPしたとの記事を読んだ。
今思うと、これが方向転換のきっかけ。
Comic Studio、コミケなんかで時折チラシが紹介配られていたので
名前は知っていました。
「Comic Studio?しゃらくせえ!そんなんでマンガ書けるか!!」
オラと同年代の同人屋はもう少ないンですが、
いらしたとしても筋金入りのアナログ派、「ペンと墨汁」派なのではと推測する
次第。
とは言いながらそこは大人。
ちょっと興味を引かれたので買ってみた。
EXグレードと、入門用のタブレットBAMBOO。
ちょっと安っぽいタブレットが全くダメだった。
拒否反応。
とてもペンと紙の代用にならないという印象だった。
「だめだこりゃ!
なもんで、ペン入れ済の原稿をスキャンして
そこから作業してみることとした。
安直に300dpi、2値化でComic Studioに直接読み込んでみた。
もう、読み込み品質の汚いこと汚いこと。
下手なコピーの方がまだましな感じ。
こりゃ使えん!
封印!!
ということでしばらくComic Studioはお蔵入りに。
デジコミ化の試みとともに、漫画執筆熱はどんどん下火になっていく。
その頃、新たに情熱を燃やせる分野が目の前に現れた。
古い映画のファン活動。
古い映画とは漠然とした言い方だが、
詳しく言うと「マカロニ・ウェスタン」。
1960年代後半から70年代前半にかけてブームになった
イタリア製西部劇のことである。
所謂ゲテモノジャンルだが、これがまた好きなのだ。
漫画・アニメ並み、またはそれ以上に濃いオタク仲間が居ることに気がつき
夢中になった。
それこそ、マカロニウェスタン熱が再燃している頃は
漫画、アニメ、ひいてはコミケットなどもどうでもよくなった。
漫画は全く描かなくなった。
2000年代前半のことであった。